リライティング日:2024年12月28日
出生前DNA鑑定では妊娠6週目から胎児DNAが母体血中に現れ始めますが、鑑定に十分な量が得られるのは妊娠7週目以降です。胎児の発達過程と母体血中のDNA量の関係を詳しく解説します。
出生前DNA鑑定を検討される方にとって、「いつから検査が可能なのか」という疑問は最も気になるポイントのひとつでしょう。結論から言えば、妊娠6週目未満の血液では出生前DNA鑑定はできません。出生前鑑定では、妊娠中の女性の血液中に含まれる胎児のDNAと男性のDNAを比較し、その男性が胎児の生物学的な父親かどうかを調べています。一般的に、妊娠6週目から胎児のDNAが母親の血液中に流れ始め、妊娠期間に比例して血液中の胎児のDNA量が増えていき、妊娠14週目以降はほぼ一定になると言われています(1)。
では、なぜ妊娠6週目というタイミングが重要なのでしょうか。この記事では、妊娠週数と胎児DNAの関係、鑑定が実際に可能になる時期、そして採血前に知っておくべき注意点について、DNA鑑定の専門機関であるseeDNAが科学的根拠に基づき詳しく解説します。
胎児のDNAが母親の血液中に流れ始めるのはなぜ妊娠6週目から?
突然ですが、ここで問題です。なぜ胎児のDNAが母親の血液中に流れ始めるのは妊娠6週目なのでしょうか?もっと早い時期から胎児のDNAが流れていてもいいんじゃないかと思いますよね。この問題を解くには、妊娠期間中に胎児がどのように発達しているのかを知る必要があります。
妊娠週数の数え方と胎児の発達過程
世界保健機関(WHO)では、最後の月経が始まった日を妊娠初日、つまり「(満)0週0日」と定義しています(2)。そして、「0週0日」目の約2週間後に、将来受精卵となり胎児へと成長する卵子が排卵されます。
受精から着床まで6~12日かかるので、妊娠3~4週目にようやく妊娠が成立します。着床し、妊娠が成立すると胎盤やへその緒が作られはじめ、受精卵は急速に発達して「胎芽」となり、妊娠9週目に「胎児」となります注1。
この一連の発達過程を時系列で整理すると、以下のようになります。
- 妊娠0週0日:最終月経の開始日(WHOの定義による妊娠の起算日)
- 妊娠約2週目:排卵が起こり、受精の可能性が生じる
- 妊娠3~4週目:受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が成立。胎盤やへその緒の形成が始まる
- 妊娠4~5週目:一般の妊娠検査薬で陽性反応が出始める時期
- 妊娠6週目:エコーで胎児の心拍が確認できるようになる。母体血中の胎児DNAが検出可能なレベルに達し始める
- 妊娠7週目以降:母体血中の胎児DNA量がDNA鑑定に使用できるレベルに増加する
- 妊娠9週目:「胎芽」から「胎児」へと呼称が変わる
- 妊娠14週目以降:母体血中の胎児DNA量がほぼ一定になる
ちなみに、一般の妊娠検査薬で陽性反応が出るのが妊娠4~5週目ごろで、エコーで胎児の心拍が確認できるのが妊娠6週目ごろとされています。つまり、妊娠の確認そのものがようやくできる時期と、胎児DNAが検出可能になる時期はほぼ同じタイミングなのです。
妊娠3~4週目では微量すぎて検知できません
母親の血液中に胎児のDNAが存在するのは、胎盤を通して胎児由来の細胞が母親の血液中に流れ込むからです注2(3)。この現象は「セルフリー胎児DNA(cell-free fetal DNA:cffDNA)」と呼ばれ、1997年にDennis Loらによって初めて報告されました。胎盤の絨毛細胞が自然に壊れる過程(アポトーシス)で、DNAの断片が母体の血流中に放出されるメカニズムです。
胎盤やへその緒の形成がはじまった妊娠3~4週目でも胎児由来のDNAが母親の血液に流れ出しているでしょうが、微量すぎて検知できません。妊娠初期においては、母体血中の全セルフリーDNAに占める胎児由来DNAの割合(胎児画分:fetal fraction)はわずか数パーセント程度であり、妊娠週数が進むにつれてこの割合が上昇していきます(1)。
妊娠週数を重ねるうちに母体血中の胎児のDNAは量を増していき、ようやく妊娠6週目で検出できるようになり、7週目になるとDNA鑑定で使用できるほどになります。
母体血中の胎児DNA量には個人差がある
しかし、母体血中の胎児のDNA量は個人差が大きく、同じ妊娠週数の方でも血縁関係を判定できる量があるかどうかは、実際に検査してみないとわかりません。胎児DNA量に影響を与える要因としては、以下のものが知られています。
- 妊娠週数(週数が進むほど胎児DNA量は増加する傾向がある)
- 母体のBMI(肥満の方は母体由来のDNAが多くなり、相対的に胎児画分が低下する場合がある)
- 胎盤の大きさや機能状態(胎盤の発達具合によりDNA放出量が異なる)
- 子宮外妊娠や胎児死亡の場合(母体血中の胎児DNAが検出できないケースがある)
- 多胎妊娠の場合(双子以上の場合、胎児DNA量が変動する可能性がある)
さらに、子宮外妊娠や採血時にすでに胎児が亡くなられていた場合は、母体血中の胎児のDNAは検出できません。
妊娠7週目未満での採血にはリスクがあります
稀に妊娠7週目未満で血液をご提出される方がいらっしゃいますが、胎児のDNAが抽出できないため再鑑定となってしまうリスクが高い上に、弊社の無料再検査や返金保証の対象外となります。妊娠早期に検査を急ぎたい気持ちは理解できますが、正確な結果を得るためにも、適切な時期まで待つことが非常に重要です。
DNA鑑定できるのは妊娠7週目以降 ― 採血前に確認すべきこと
まとめると、妊娠が成立するのは妊娠3~4週目で、徐々に母体血中の胎児のDNA量が増えていき、DNA鑑定できるのは妊娠7週目以降となります。
事前に産婦人科でエコーを撮り、正常妊娠であることを確認後、妊娠7週目に入ってから採血を行っていただければと思います。特に以下の点にご注意ください。
- 産婦人科で超音波検査(エコー)を受け、正常な子宮内妊娠であることを確認する
- エコーにより胎児の心拍が確認できていることが望ましい
- 生理周期や最終生理日、排卵日などによる妊娠期間の自己計算は正確ではないため、必ず産婦人科で妊娠週数を確認する
- 妊娠7週目未満での採血は再鑑定のリスクが高く、無料再検査や返金保証の対象外となる
そして、生理周期や最終生理日、排卵日などによる妊娠期間の計算は正確ではないので、必ず産婦人科で妊娠期間をご確認ください。
出生前DNA鑑定の精度と信頼性について
出生前DNA鑑定は、適切な妊娠週数で採血が行われた場合、非常に高い精度で父子関係を判定することが可能です。seeDNAでは、独自の微量DNA解析技術を用いることで、母体血液中のごくわずかな胎児DNAからでも正確な鑑定結果を導き出すことができます。ただし、その精度を最大限に発揮するためには、十分な量の胎児DNAが母体血液中に存在していることが前提条件となります。だからこそ、妊娠7週目以降という推奨時期を守ることが、正確な鑑定結果を得るための最も重要なポイントなのです。
出生前DNA鑑定をご検討中の方は、まずは産婦人科で正確な妊娠週数を確認し、正常妊娠であることを確かめた上で、余裕をもったスケジュールで検査に臨まれることをお勧めします。ご不明な点がございましたら、seeDNAの専門スタッフまでお気軽にご相談ください。
注1:弊社のホームページでは妊娠9週未満でも「胎児」という表記で統一しています。
DNA鑑定専門機関「seeDNA」の出生前DNA鑑定
妊娠6週で
お腹の赤ちゃんの父親がわかる
よくあるご質問
Q1. 出生前DNA鑑定は妊娠何週目から受けられますか?
A. 出生前DNA鑑定が可能になるのは妊娠7週目以降です。妊娠6週目ごろから胎児のDNAが母体血中に検出され始めますが、鑑定に十分な量が確保できるのは7週目以降となります。事前に産婦人科で正確な妊娠週数を確認してから採血に臨むことをお勧めします。
Q2. なぜ妊娠6週目より前の血液では鑑定できないのですか?
A. 妊娠3~4週目に着床が成立し胎盤の形成が始まりますが、この時期は胎盤が未発達で胎児由来のDNAが母体血中にほとんど放出されていません。妊娠6週目になると胎盤の発達に伴い胎児DNAが検出可能なレベルに達し始め、7週目以降にDNA鑑定で使用できる十分な量になります。
Q3. 妊娠7週目未満で採血した場合はどうなりますか?
A. 妊娠7週目未満で血液を提出された場合、胎児のDNAが十分に抽出できず再鑑定となるリスクが高くなります。また、seeDNAの無料再検査や返金保証の対象外となりますので、必ず妊娠7週目以降に採血を行ってください。
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seeDNA遺伝医療研究所は、国際品質規格ISO9001とプライバシー保護のPマークを取得している安心と信頼のDNA鑑定・遺伝子検査の専門機関です。
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著者
医学博士 富金 起範
筑波大学、生体統御・分子情報医学修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発
【参考文献】
(1) PLOS ONE「Cell-free fetal DNA fraction in maternal plasma is affected by gestational age」, 2016年12月(2) World Health Organization (WHO)「Indicator Metadata Registry – Gestational age」
(3) The Lancet「Presence of fetal DNA in maternal plasma and serum」Lo YM et al., 1997年8月