DNA鑑定は検体によって精度が変わる? その真実を解説!

2021.04.21

『綿棒を用いて採取した口腔上皮』以外の検体

生まれたばかりの赤ちゃんでも採取が容易な口腔上皮

DNA鑑定の検体(検査材料)として、基本的には綿棒を用いて採取した口腔上皮(口内の細胞)が用いられます。 それは、口腔上皮は採血のような医療行為が必要なく、鑑定成功率が高い(ほぼ100%)ためです。 また、ほおの内側を綿棒でこするという簡単な採取のため、生まれたばかりの赤ちゃんでもDNA鑑定をすることができます。

しかしDNA鑑定を必要とされる方の中には、様々なご都合によって口腔上皮以外の検体を希望されることも少なくありません。 例えば、血液や精液、タバコの吸殻、紙コップ、毛髪、血痕、歯ブラシ、爪、耳垢、鼻水、ガム、割り箸、歯などが口腔上皮以外の検体としてあげられます。

これらの綿棒以外の検体は、口腔上皮と同じような精度で鑑定が可能なのでしょうか?

2019年~2020年 弊社DNA鑑定 綿棒以外の検体別成功率

綿棒以外の検体成功率

結論から先にいうと、DNA鑑定において、検体の種類によって鑑定の精度が変わることはありません。

なぜなら、身体のどの細胞にも同じDNAが入っているからです。 例えば、口腔上皮細胞、皮膚の上皮細胞、筋肉細胞、神経細胞、白血球、赤血球などでは、見た目だけでなく機能が全く異なるにも関わらず、それらの細胞に含まれるDNAはすべて同じです。 それゆえ、鑑定に必要な量の正常DNAを抽出できる検体であれば精度に差はなく、ほぼ100%の確率で検査結果が得られます。

綿棒以外のな検体においてもっとも注意が必要な点は、検体の量や保存状態によって鑑定の成功率が変わってくるということです。

検体の量が不足していれば、鑑定に必要なDNAが抽出できず、保存状態が悪ければDNAが分解されて正常なDNAが得られなくなり、鑑定の成功率が下がってしまいます。

例えば、毛髪はDNA鑑定によく用いられるイメージがありますが、父子鑑定に必要なDNAは毛髪には含まれておらず、毛根部の細胞が必要となります。 そのため父子鑑定に活用するのであれば、採取時に毛根が髪にまだ付着していることを確認し、3〜5本以上が検体量として必要(ヒゲなどの体毛も同様)となります。その他に採取時に鑑定対象者以外の体毛が混ざらないように注意が必要です。

唾液もまたDNA鑑定によく用いられるイメージですが、細胞があまり含まれていないばかりか、唾液に含まれる細菌が繁殖しやすく検体としては不向きといえます。 そのため唾液が付着した綿棒以外の検体である歯ブラシや割り箸、タバコの吸い殻、紙コップ等に関しては、水分を含んだまま保管してしまうと細菌が繁殖しやすくなるため、直射日光を避けてしっかりと乾燥をさせてから、保管することが大切です。

検体の量と保存状態が鑑定成功の鍵

綿棒以外の検体の例

以上のように、綿棒以外の検体を用いたDNA鑑定において、検体によって精度に差があるのではなく、検体の量と保存状態が鑑定の成功に重要であるといえます。

DNA鑑定の検体には口腔上皮以外にもさまざまな検体がありますが、今回はその精度について解説いたしました。

seeDNAでは 万が一鑑定結果が得られなかった場合、綿棒による口腔上皮を用いて何回でも無料で再鑑定することが可能です。

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