DNA鑑定でわかる祖先のルーツについて解説

2021.05.14

DNA鑑定でわかる祖先のルーツについて解説

自分の祖先がどこから来たのか?

移民大国であるアメリカでは、「自分の祖先がどこから来たのか?」というルーツ探しが流行しています。

このブログでも以前、「ルーツをたどる旅」というタイトルで日本から申込可能なDNA鑑定と祖先の故郷への旅行がセットになったプランについてご紹介しました。
今回はDNA鑑定でわかる祖先のルーツに関して、より掘り下げて解説していきます。

現代の日本人の多くは、氷河期の移住者からなる縄文時代の人々(紀元前15,000~500年)と、その後に中国や朝鮮からやってきた人々との交配によって生まれたと考えられています。

そのため、ヨーロッパのDNAの痕跡もわずかに残ってはいる人はいるものの、日本人の多くは隣国である中国や韓国にルーツを持っています。

自分の祖先がどこから来たのか、DNA鑑定で遡れます

祖先をたどることができる主なDNA鑑定は、常染色体、Y染色体、ミトコンドリアDNAの3種類の検査があります。
鑑定結果に応じて、血縁関係の近さや自分の祖先がどのハプログループに属するかがわかるようになっています。

ハプログループとは、世界各地の人々のDNAを分析し、類似のDNA配列を持つ人同士を集めたグループのことで、どこの地域にどのDNA配列を持つ人達が多いのかという指標になります。

それぞれの検査の特徴を示します。

 

それぞれの検査の特徴

常染色体検査(X染色体を含む)

世界の数ある地域集団からどのぐらいの割合で遺伝子を受け継いでいるのか、血縁関係の近さがわかる検査です。
常染色体は、それぞれの親から常染色体DNAの50%を子に継承します。

しかし、精子や卵子が作られる際に染色体のシャッフルが起きるため、継承されていくに連れて祖先と共有するDNAが少なくなります。

それゆえ、Y染色体やミトコンドリアDNA検査とは異なり、常染色体検査は祖先をはるか遠くまで遡ることができないというデメリットがあります。

Y染色体検査

父系祖先の移動経路がわかる検査です。

男性である父親から受け継がれていくY染色体を調べるため、母方の影響を受けずに父方の直系を辿ることができます。(あなたの父、父の父、父の父の父など)
また女性はY染色体を持たないため、この検査はできません。

日本人男性に見られる代表的なY染色体のハプログループとして、ハプログループO(50%以上)とハプログループD1a2a (40%)があります。
ハプログループOの大部分は満州、朝鮮、日本、漢民族などに多く見られ、一部に中国南部、台湾、フィリピン、マレーシア周辺などに見られます。

ハプログループD1a2a(旧D-M55)は、日本固有のもので、アイヌや沖縄で多く見られ、縄文人の父方の優勢な系統であったと考えられています。

最終的に辿り着いた男系の共通祖先は「Y染色体・アダム」と呼ばれ、20〜30万年前にアフリカに生存していたと推定されています。

ミトコンドリアDNA検査

母系祖先の移動経路がわかる検査です。

女性である母親から受け継がれていくミトコンドリアのDNAを調べるため、父方の影響を受けずに母方の直系を辿ることができます。(あなたの母、母の母、母の母の母など)
ミトコンドリアDNAは、卵細胞の中に含まれているため、母から子へとのみ受け継がれます。

また、母親から受け継がれたミトコンドリアDNAは男性も女性も持っているため、男女ともに検査が可能です。
女性は結婚時に姓が変わる事が多いため、母系祖先を辿ることに役立つ可能性が期待できます。

日本人に見られる代表的なミトコンドリアDNAのハプログループは、Y染色体よりもさらに複雑に分類されます。
15種類もの主要な系統(A、B、F、D4h、M系など)があり、総合的に見ると母方の血統の約66%が中韓系であることが確認されています。

最終的に辿り着いた女系の共通祖先は「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれ、約20万年前にアフリカに生存していたと推定されています。

DNA鑑定で分かるそれぞれの特徴

祖先をたどることができる主なDNA鑑定は、上記のような特徴があり、Y染色体およびミトコンドリアDNAは、どちらも何世代にもわたって受け継がれるため、非常に古い系譜や古代の民族を特定することができます。

そして、ヒト(ホモ・サピエンス・サピエンス)の祖先はアフリカで誕生し、世界各地に伝播していったというアフリカ単一起源説を支持できるものとなっています。

DNA鑑定によって先祖のルーツを調べることは、自分が知らなかった過去と出会える唯一の方法なのかもしれません。唾液等の検体を用いたキットによるDNA鑑定サービスもありますので、ぜひ利用してみてください。

 

参考資料

常染色体、Y染色体、ミトコンドリアDNA
・ハプログループ関係
Y染色体アダム
ミトコンドリア・イブ