リライティング日:2024年08月11日
新生児の血液型は抗体が未発達のため正確な判定が難しく、血液型だけでは親子関係を証明できません。確実な血縁関係の確認にはDNA型鑑定が最も信頼性の高い方法です。
新生児の血液型は安定しない——なぜ正確な判定が難しいのか

お客様から「両親の血液型に対して子供の血液型が合わない」というお問い合わせをいただくことは非常に多く、それがきっかけで親子鑑定をご依頼されるケースも少なくありません。しかし、血液型の不一致が必ずしも親子関係の否定を意味するわけではないという点は、まず最初にご理解いただきたい重要なポイントです。
そもそもABO式血液型は、赤血球の表面に存在する抗原(A抗原・B抗原)の種類と、血清中に含まれる抗体(抗A抗体・抗B抗体)の有無を調べることで判定されます。成人であればこの抗原・抗体がしっかりと発現しているため、正確な判定が可能です。しかし、一歳未満の乳児の場合、成人に比べて抗体の産生量が約1/3程度しかなく、抗原の発現も十分ではありません。このため、新生児期に行われた血液型検査の結果は信頼性が低く、誤判定が起こる可能性があるのです。(1)
実際に、出生時に「A型」と判定されていた方が、成人後の健康診断で再検査をしたところ「O型」だったというケースや、「B型」だと思い込んでいたが実は「AB型」だったというケースは珍しくありません。赤血球の抗原・抗体が十分な量に達するのはおおむね4歳以降とされており、それまでの間に血液型を検査しても正確な結果が得られない場合があるのです。(2)
こうした背景から、近年では出生直後に新生児の血液型を検査しない産科施設が増えています。以前は出産時に血液型を調べて母子手帳に記載することが一般的でしたが、現在では医学的に不正確な情報を記録することの弊害が認識されるようになり、保護者から特段の希望がない限りは検査を行わないという方針が主流となっています。
血液型だけで親子関係は判定できるのか

赤ちゃんがもう少し成長してから血液検査を行えば、正しい血液型を知ることは可能です。しかし、本当に知りたいのは血液型そのものではなく、親子関係の有無を確認したいという方が多いのではないでしょうか。
血液型による親子関係判定の限界
ABO式血液型は、A型・B型・O型・AB型の4種類しかありません。日本人の血液型分布を見ると、A型が約40%、O型が約30%、B型が約20%、AB型が約10%という割合になっています。つまり、仮にお父様がA型でお子様もA型だったとしても、日本人男性の約4割がA型ですから、それだけで血縁関係があるとは到底言えません。(3)
さらに重要なのが、遺伝子の突然変異によって、通常の遺伝法則からは生まれないはずの血液型の子供が誕生するケースが報告されているという事実です。例えば、A型の父親とO型の母親からは通常A型かO型の子供しか生まれないとされていますが、ごくまれにAB型の子供が生まれた事例が学術的に報告されています。これは「シスAB型」と呼ばれる特殊な遺伝子型が関与しているケースなどが知られています。(4)
- 血液型は4種類しかなく、同じ血液型の人は非常に多い
- 突然変異やシスAB型などの特殊なケースが存在する
- 血液型の遺伝法則は「確率」であり、100%の判定はできない
- Rh式血液型を加味しても、個人の特定には不十分
- 血液型が「合わない」からといって、直ちに親子関係を否定する根拠にはならない
血液型と遺伝の基本的な仕組み
ABO式血液型は、第9番染色体上にあるABO遺伝子によって決定されます。この遺伝子にはA、B、Oの3種類の対立遺伝子(アレル)があり、両親からそれぞれ1つずつ受け継ぎます。AとBはOに対して優性(顕性)であるため、遺伝子型がAOの場合は表現型としてA型になり、BOの場合はB型になります。OO型の場合のみO型として表現されます。(1)
この仕組みから、例えばO型同士の両親(遺伝子型:OO × OO)からはO型の子供しか生まれません。しかし、A型同士の両親(遺伝子型:AO × AO)からはA型の子供だけでなく、O型の子供が生まれる可能性もあります。このように、表現型(見た目の血液型)と遺伝子型は必ずしも一致しないため、血液型だけで親子関係を論じることには根本的な限界があるのです。
DNA型鑑定が存在しなかった時代には、血液型を手がかりに血縁関係を推測するしか方法がありませんでした。そのため、血液型の不一致が原因で家庭内トラブルや法的紛争に発展した事例が国内外で多数報告されています。電話一本でDNA型鑑定の相談ができる現代において、血液型のみに頼って一生悩み続けることは非常にもったいないことと言えるでしょう。
少しでも不安が残るのであればDNA型鑑定を

20年前のDNA型鑑定と比較して、現在のDNA型鑑定は1億倍以上の精度向上を達成しています。技術の飛躍的な進歩により、基本の検体である口腔上皮(頬の粘膜)のほかにも、歯ブラシ、髪の毛、タバコの吸殻といった日常的な物品からも正確にDNAを抽出し、血縁関係を高精度で判定できるようになりました。(5)
DNA型鑑定の検体採取方法
「口腔上皮」とは頬の内側の粘膜のことで、DNA型鑑定専用の医療用綿棒で口の中を軽く擦るだけで簡単に採取できます。この方法は非侵襲的であり、生まれたばかりの赤ちゃんでも痛みを感じることはありません。最新のDNA型鑑定技術では、頬の内側を縦横に10往復ほど擦った綿棒一本分のDNAで、約100回もの鑑定が実施可能なほど高感度な分析が可能です。
- フリーダイヤル(0120-919-097)でシードナに相談
- DNA検査キットを受け取る
- 医療用綿棒で口腔内を軽く擦り、検体を採取
- 検体を返送する
- 最短3日で鑑定結果を受け取る
DNA型鑑定の精度と信頼性
現代のDNA型鑑定では、STR(Short Tandem Repeat)分析と呼ばれる手法が用いられています。これはヒトゲノム上に散在する短い繰り返し配列の長さの違いを比較する方法で、複数の遺伝子座を同時に分析することにより、極めて高い識別能力を実現しています。親子関係が存在する場合の肯定確率は99.99%以上に達し、否定の場合は100%の精度で否定が可能です。この精度は、DNA型鑑定による血縁関係の判定結果が覆ることが現実的に不可能であることを意味しています。(5)
血液型検査ではわずか4種類の表現型しか区別できないのに対し、DNA型鑑定では個人ごとに異なる遺伝子マーカーを多数解析するため、双子でない限り全く同じDNAプロファイルを持つ人は事実上存在しません。この圧倒的な個人識別能力こそが、DNA型鑑定が親子鑑定のゴールドスタンダードとされる理由です。
調べられる血縁関係の範囲
DNA型鑑定で確認できるのは、親子(父子・母子)関係だけではありません。叔父・叔母、祖父母と孫、従兄弟(いとこ)など、さまざまな血縁関係を科学的に調べることが可能です。鑑定費用は2〜3万円程度から対応しており、最短3日という迅速な結果報告で、長年の悩みや不安を解消することができます。
血液型の不一致に悩んでいる方、お子様の血縁関係に不安を感じている方は、まずはお気軽にシードナ(フリーダイヤル:0120-919-097)までご相談ください。経験豊富な専門スタッフが、お客様の状況に合わせた最適な鑑定プランをご提案いたします。
よくあるご質問
Q1. 新生児の血液型検査はなぜ正確ではないのですか?
A. 新生児は赤血球上の抗原や血清中の抗体がまだ十分に発達していないため、正確な血液型判定が困難です。成人と比較して抗体量が約1/3程度しかなく、抗原・抗体が十分に発現するのは4歳以降とされています。そのため、出生時に検査した血液型が、成長後に再検査すると異なっていたというケースは珍しくありません。
Q2. 両親の血液型から考えてあり得ない血液型の子供が生まれることはありますか?
A. はい、ごくまれに起こり得ます。代表的な例として「シスAB型」があり、これはA遺伝子とB遺伝子が同じ染色体上に乗っている特殊なケースです。このような突然変異や稀な遺伝子型の存在により、通常のメンデル遺伝の法則では説明できない血液型の組み合わせが生まれる可能性があります。(4)
Q3. 血液型だけで親子関係を判定できますか?
A. いいえ、血液型だけでは親子関係を正確に判定することはできません。ABO式血液型は4種類しかなく、同じ血液型の人は非常に多いため、血液型が一致していても親子関係の証明にはなりません。また、突然変異による例外もあるため、血液型が不一致であっても直ちに親子関係を否定することもできません。確実な判定にはDNA型鑑定が必要です。
Q4. DNA型鑑定はどのように検体を採取するのですか?痛みはありますか?
A. 基本的な検体採取は、医療用綿棒で頬の内側(口腔上皮)を軽く擦るだけで完了します。採血は不要で、生まれたばかりの赤ちゃんでも痛みなく安全に採取できます。また、歯ブラシや髪の毛など、日常的な物品から検体を採取して鑑定を行うことも可能です。
Q5. DNA型鑑定の精度はどのくらいですか?
A. 現代のDNA型鑑定はSTR分析を用いており、親子関係が存在する場合の肯定確率は99.99%以上、否定の場合は100%の精度で判定が可能です。血液型検査の識別能力とは比較にならない高精度であり、鑑定結果が覆ることは現実的に不可能とされています。(5)
Q6. DNA型鑑定の費用と所要日数はどのくらいですか?
A. シードナのDNA型鑑定は2〜3万円程度から対応しており、最短3日で鑑定結果をお知らせします。親子(父子・母子)関係のほか、叔父・叔母、祖父母と孫、従兄弟(いとこ)など、さまざまな血縁関係の鑑定が可能です。詳しくはフリーダイヤル(0120-919-097)までお気軽にご相談ください。
seeDNA遺伝医療研究所の安心サポート
seeDNA遺伝医療研究所は、国際品質規格ISO9001とプライバシー保護のPマークを取得している安心と信頼のDNA鑑定・遺伝子検査の専門機関です。
家族や親子の血縁関係、パートナーの浮気などにお悩みでしたら、DNA鑑定の専門家が、しっかりとご安心いただけるようサポートいたしますのでお気軽にお問合せください。
【専門スタッフによる無料相談】

著者
医学博士 富金 起範
筑波大学大学院 生体統御・分子情報医学 修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発
【参考文献】
(1) J Biol Chem, 1997年3月(2) レファレンス協同データベース, 2011年7月
(3) CiNii Research, 1995年7月
(4) 血液型のミステリー B型とO型の両親からA型の子どもは生まれるか?, 2000年3月
(5) Cancer Epidemiol Biomarkers Prev, 2001年11月