リライティング日:2025年01月17日
DNA鑑定(父子私的)の結果報告書について、マイページ上の簡易報告書と書面の冊子型報告書の見本を各ページごとに解説。父権肯定確率99.99%以上の意味やDNAプロファイルの読み方を紹介します。
DNA鑑定(父子私的)の結果報告書とは
DNA鑑定を依頼された方が最も気になるのは、「結果がどのように報告されるのか」という点ではないでしょうか。seeDNA遺伝医療研究所では、DNA鑑定の結果をお客様にお届けする方法として、マイページ上にアップロードされる簡易的な結果報告書と、書面(冊子)で郵送される詳細な結果報告書の2種類をご用意しています。
どちらの報告書にも、自社ラボで実施した検査から得られたDNAプロファイルや父権肯定確率が明記されており、科学的根拠に基づいた正確な鑑定結果をご確認いただけます。DNA親子鑑定は、STR(Short Tandem Repeat:短鎖縦列反復配列)解析という法医学分野で国際的に確立された手法を用いて行われます。本記事では、それぞれの報告書の見本をページごとに詳しくご紹介するとともに、各項目の意味や読み方についても丁寧に解説いたします。(1)
マイページ上にアップロードする結果報告書の見本

マイページ上にアップロードする結果報告書は、検査の方法や結果を簡易的にわかりやすくまとめた形式です。弊社の自社ラボでの検査結果により、各検体から得られたDNA情報(DNAプロファイル)やそこから算出された父権肯定確率を記載しております。
DNAプロファイルとは、ヒトの染色体上に存在する特定のDNA領域(遺伝子座、ローカスとも呼ばれます)を複数箇所にわたって解析し、各領域における対立遺伝子(アリル)の型を一覧化したものです。親子鑑定では、子どもが持つアリルの一方は父親から、もう一方は母親から受け継がれるというメンデルの法則に基づき、被検者同士のDNAプロファイルを照合して親子関係の有無を科学的に判定します。(2)
なお、弊社では一般父子鑑定の父権肯定確率として、肯定の結果の場合は99.99%以上の値を保証しております。検査の内容によっては「99.9999…」とかなりの数の9が並ぶこともあり、これは親子関係がほぼ確実であることを統計学的に示すものです。一方、否定の結果の場合は0%となり、複数の遺伝子座で不一致が確認されたことを意味します。マイページ上の報告書は、インターネット環境があればいつでもすぐにご確認いただける利点があり、検査完了後に速やかに結果を知りたい方に適した形式です。(1)
書面の結果報告書の見本
書面の報告書を選択された場合は、マイページ上の簡易版とは異なり、ご返送いただいた検体の写真や鑑定の理論的背景、検査内容などをより詳細に記載した冊子状の報告書を作成しております。全4ページ構成で、鑑定の全体像から具体的な数値データまで、段階的にご理解いただけるよう整理されています。以下に各ページの内容をご説明いたします。
【1ページ目】鑑定概要と結果の要約
1ページ目は、鑑定の申請人、被検者、鑑定の内容(結果含む)に関して要約したものとなります。鑑定の種類、検査の依頼日、結果の判定(肯定または否定)が一目で把握できるよう簡潔にまとめられています。
※私的鑑定では被験者の名前は記載されません。プライバシー保護の観点から、個人が特定される情報は書面上に表示されない仕組みとなっています。
【2ページ目】検体の写真記録
2ページ目は、実際にご返送いただいた検体を写真に収めたものを添付しています。これは検体の受領状態を記録し、正しい検体が検査に使用されたことを証明するための重要な資料です。口腔内細胞(頬の粘膜を綿棒で採取したもの)などの検体写真が掲載され、検査の透明性と信頼性を担保しています。
【3ページ目】理論的背景・検査内容・テスト結果の解析
3ページ目では、鑑定の理論的背景、検査内容、テスト結果の解析に関して記載しています。DNA親子鑑定がどのような科学的原理に基づいて行われているか、使用された検査手法(STR解析など)の概要、そして解析に用いた統計手法について説明されています。STR解析では、ヒトゲノム中に散在する反復配列の繰り返し回数の違いを個人識別の指標として利用します。
【3ページ目 テスト結果の解析部分】
特にこちらの【テスト結果の解析】においては、鑑定結果をわかりやすく、また実際に弊社の自社ラボでの検査結果を元に算出された父権肯定確率を記載しています。父権肯定確率(CPI: Combined Paternity Index に基づく確率値)は、検査した複数の遺伝子座すべてのデータを統合して算出される総合的な数値であり、親子関係の存在可能性を示す最も重要な指標です。
【4ページ目】DNAプロファイル一覧
4ページ目では、弊社の自社ラボでの検査結果により各検体から得られたDNA情報(DNAプロファイル)を記載しております。具体的には、検査対象とした各遺伝子座(ローカス)ごとに、父親候補および子どもそれぞれのアリル型が表形式で列記されます。この一覧を確認することで、どの遺伝子座でアリルが一致しているか(または不一致であるか)を直接ご覧いただけます。
報告書に記載される主な項目のまとめ
報告書全体を通して記載される重要項目を以下にまとめます。
- 鑑定の申請人情報と被検者情報:私的鑑定では被検者名は非表示
- 検体の写真:返送された検体の受領状態を記録
- DNAプロファイル:各遺伝子座におけるアリル型の一覧
- 父権肯定確率:肯定の場合99.99%以上、否定の場合0%
- 鑑定の理論的背景:使用した検査手法や統計解析の説明
- 検査結果の解析:CPIに基づく総合判定の詳細
結果報告書が届くまでの流れ
DNA鑑定の申し込みから結果報告書をお受け取りいただくまでの一般的な流れは以下のとおりです。
- お申し込み・検体採取キットの受け取り:Webまたはお電話でお申し込みいただいた後、検体採取キットをお届けします。
- 検体の採取と返送:同封の説明書に従い口腔内細胞等を採取し、弊社へご返送いただきます。
- 自社ラボでのDNA検査:受領した検体を自社ラボにてSTR解析等の手法で検査します。
- 結果報告書の作成・アップロード:検査完了後、まずマイページ上に簡易報告書をアップロードいたします。
- 書面報告書の郵送(選択された場合):冊子状の詳細報告書を作成し、ご指定の住所へ郵送いたします。
父権肯定確率の読み方と判定基準
DNA鑑定の結果報告書を読む際に最も重要となるのが父権肯定確率です。この数値は、被検者間の親子関係が統計学的にどの程度確かであるかを示すもので、国際的な親子鑑定の標準指標として広く用いられています。(2)
一般的に、父権肯定確率が99.99%以上であれば「父子関係が肯定される(親子関係あり)」と判定されます。一方で、検査した遺伝子座のうち複数箇所で明確な不一致が確認された場合は、父権肯定確率は0%となり「父子関係が否定される(親子関係なし)」と判定されます。
弊社では通常20座位以上の遺伝子座を検査しており、高精度な結果を保証するための十分なデータ量を確保しています。AABB(American Association of Blood Banks)のガイドラインでも、親子鑑定における検査座位数と精度の関係が示されており、座位数が多いほど鑑定の信頼性が向上するとされています。STR解析は法医学や法科学の分野で世界的に認められた手法であり、個人識別および親子鑑定における信頼性は極めて高いとされています。
マイページ報告書と書面報告書の違い
マイページ上の報告書と書面の報告書はそれぞれ異なる特徴を持っています。お客様のご要望やご利用目的に応じて、いずれかまたは両方をお選びいただけます。
| 項目 | マイページ報告書 | 書面報告書 |
|---|---|---|
| 形式 | PDFデータ | 冊子(郵送) |
| 内容の詳細度 | 簡易的な要約 | 理論的背景含む詳細版 |
| 結果確認の速さ | アップロード後即時 | 郵送到着まで数日 |
マイページ報告書は結果をいち早く確認したい方に最適であり、書面報告書は検体写真や理論的背景を含む詳細な記録として保管しておきたい方に適しています。どちらの報告書にも、自社ラボで実施した検査に基づく正確なDNAプロファイルと父権肯定確率が記載されている点は共通です。(3)
よくあるご質問
Q1. DNA鑑定の結果報告書はどのくらいで届きますか?
A. マイページ上の簡易報告書は、検査完了後に速やかにアップロードされますので、即時ご確認いただけます。書面の冊子型報告書を選択された場合は、検査完了後に作成・郵送いたしますので、到着まで数日程度かかります。
Q2. 父権肯定確率が99.99%以上とはどういう意味ですか?
A. 父権肯定確率99.99%以上とは、検査した複数の遺伝子座すべてにおいて親子としての遺伝的一致が確認され、統計学的に親子関係がほぼ確実であることを示す数値です。検査条件によっては99.9999%を超える値となることもあります。
Q3. 否定の結果(0%)が出た場合はどのような意味ですか?
A. 父権肯定確率が0%の場合は、検査した複数の遺伝子座において父親候補と子どものDNAプロファイルに明確な不一致が確認されたことを意味します。この場合、生物学的な父子関係は存在しないと科学的に判定されます。
Q4. 私的鑑定の報告書に被検者の名前は記載されますか?
A. いいえ、私的鑑定の報告書には被検者の名前は記載されません。プライバシー保護の観点から、個人が特定される情報は書面上に表示されない仕組みとなっています。
Q5. 報告書に記載されている「DNAプロファイル」とは何ですか?
A. DNAプロファイルとは、ヒトの染色体上にある特定のDNA領域(遺伝子座)を複数箇所解析し、各領域におけるアリル(対立遺伝子)の型を一覧にまとめたものです。親子鑑定では、このプロファイルを照合して親子関係の有無を判定します。
Q6. マイページ報告書と書面報告書の両方を受け取ることはできますか?
A. はい、可能です。マイページ上の簡易報告書はすべてのお客様にご提供しており、書面の冊子型報告書はオプションとしてお選びいただけます。詳細な記録を手元に保管しておきたい方は、両方をご利用いただくことをおすすめします。
Q7. DNA鑑定で使用されるSTR解析とはどのような手法ですか?
A. STR(Short Tandem Repeat)解析とは、ヒトゲノム中に存在する短い塩基配列の繰り返し回数の違いを検出する手法です。個人ごとに繰り返し回数が異なるため、個人識別や親子鑑定に極めて有効であり、法医学分野で国際的に標準化された技術として広く採用されています。
seeDNA遺伝医療研究所の安心サポート
seeDNA遺伝医療研究所は、国際品質規格ISO9001とプライバシー保護のPマークを取得している安心と信頼のDNA鑑定・遺伝子検査の専門機関です。
家族や親子の血縁関係、パートナーの浮気などにお悩みでしたら、DNA鑑定の専門家が、しっかりとご安心いただけるようサポートいたしますのでお気軽にお問合せください。
【専門スタッフによる無料相談】

著者
医学博士 富金 起範
筑波大学大学院 生体統御・分子情報医学 修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発
【参考文献】
(1) Gene, 2008年1月(2) J Biol Chem, 1997年3月
(3) Annu Rev Genomics Hum Genet, 2014年