リライティング日:2024年12月30日
出生前DNA鑑定で父権肯定確率を明示しない業者が存在し、結果が覆るケースが多発しています。信頼できる鑑定機関の選び方と国際基準について解説します。
出生前DNA鑑定で父権肯定確率を明記しない業者が存在する問題
出生前DNA鑑定は、妊娠中に胎児と父親候補者との生物学的な親子関係を判定するための重要な検査です。近年、この出生前DNA鑑定のニーズは増加の一途をたどっていますが、その一方で、鑑定結果の報告書に「父権肯定確率(POP:Probability of Paternity)」を明確に記載しない業者が存在していることが大きな問題となっています。(1)
父権肯定確率とは、DNA鑑定の結果として得られた遺伝子型データに基づき、被検者が生物学的な父親である確率を数値で表したものです。この数値は、鑑定結果の信頼性を客観的に示す最も重要な指標であり、国際的なDNA鑑定の品質基準においても必ず報告書に記載すべき項目とされています。にもかかわらず、この確率を記載しない、あるいは曖昧な表現で済ませる業者が一部に存在しており、依頼者にとって重大なリスクとなっています。(2)
鑑定結果が覆った事例:2019年だけで十数件を確認
実際に、父権肯定確率を明記しない仲介業者やクリニックの出生前DNA鑑定を受けたお客様が、後日弊社(seeDNA遺伝医療研究所)で再鑑定を行った結果、元の鑑定結果が覆った件数が2019年だけで十数件に上りました。これは決して少ない数字ではありません。
もちろん、当該業者で出生前DNA鑑定を受けたすべてのお客様の結果が誤っていたわけではありません。しかし、十分な精度が確保されていない検査、あるいは99.9%以上の父権肯定確率が得られていない鑑定結果が提示された場合には、信頼性の高い検査機関での再検査が必要です。
仮にこれらのお客様が鑑定結果に疑問を持たず、再鑑定を行わなかった場合、正しい血縁関係は永久に判明しなかったことになります。DNA鑑定は人生を大きく左右する検査であり、「鑑定ミス」は本来絶対に許されません。しかしながら、弊社で確認された誤判定は氷山の一角に過ぎず、実際のミス判定はさらに何倍も多いと考えられています。
なぜ父権肯定確率の明示が不可欠なのか
父権肯定確率は、DNA鑑定の結果を科学的・客観的に裏付ける唯一の定量指標です。単に「親子関係あり」「親子関係なし」という結論だけでは、その判定がどの程度の信頼性で行われたものなのかを依頼者が判断することができません。(2)
たとえば、父権肯定確率が99.99%と記載されていれば、それは極めて高い確率で親子関係が証明されたことを意味します。一方、この確率が90%や95%程度であれば、科学的根拠としては不十分であり、追加の検査が必要であると判断できます。父権肯定確率が報告書に記載されていない場合、依頼者はその結果の妥当性を自ら検証する手段を持てないことになるのです。(3)
父権肯定確率が記載されない場合に想定されるリスク
- 鑑定の精度が国際基準を下回っている可能性がある
- 解析した遺伝子座(STRマーカー)の数が不足しており、信頼性の高い確率が算出できていない可能性がある
- 判定が曖昧なまま結論だけが提示され、誤判定のリスクが極めて高い
- 結果に疑念を抱いても、確率データがないため第三者に相談・検証を依頼しにくい
- 裁判などの法的場面で証拠として認められない可能性がある
出生前DNA鑑定をご検討中の方へ:業者選びで必ず確認すべきポイント
出生前DNA鑑定をご検討中のお客様は、どの会社を選択するにしても、鑑定結果に「父権肯定確率(POP:Probability of Paternity)」がしっかりと記載されるかどうかを必ず事前にご確認ください。これは業者選びにおける最低限のチェック項目です。
信頼できる鑑定機関を選ぶための確認フロー
- 報告書に「父権肯定確率」が数値として明記されるか確認する
- 国際基準である「父権肯定確率99.9%以上」を保証しているか確認する
- 検査に使用するSTRマーカーの数や検査手法について説明を受ける
- AABB認定やISO17025認証などの第三者認定を取得しているか確認する
- 結果に疑問がある場合の再検査体制が整っているか確認する
国際基準「父権肯定確率99.9%」を保証する検査機関
2019年現在、一般的な親子鑑定の国際基準である「父権肯定確率99.9%」を保証している検査機関は、弊社を含む以下の3カ所のみでした。(1)
| 検査機関 | 所在国 | 父権肯定確率 |
|---|---|---|
| seeDNA(シードナ)/ Natera / DDC | 日本 / アメリカ | 99.9%以上 |
| GTL | オーストラリア | 99.9%以上 |
| ※2020年追加機関 | イギリス | 99.9%以上 |
追記(2020年1月現在):一般的な親子鑑定の国際基準「父権肯定確率99.9%」を保証している検査機関にイギリスの機関も加わり、世界で4カ所となりました。
弊社seeDNA遺伝医療研究所では、出生前DNA鑑定において、血縁関係が肯定される場合は父権肯定確率99.99%、否定される場合は0%と、結果を明確に数値として報告書に記載しております。曖昧な表現は一切使わず、依頼者の方が安心して結果を受け取れるよう最大限の透明性を確保しています。
出生前DNA鑑定の仕組みと精度に影響する要因
出生前DNA鑑定(NIPPT:Non-Invasive Prenatal Paternity Test)は、妊婦の血液中に含まれる胎児由来のcell-free DNA(cfDNA)を分析することで、羊水穿刺や絨毛検査のような侵襲的な処置を行わずに親子関係を判定する検査です。この技術は母体と胎児双方の安全性を確保しながら高精度な結果を得られるという大きなメリットがあります。
しかし、鑑定精度は検査に用いる遺伝子座(STRマーカーやSNP)の数、分析技術、検体の品質管理体制など多くの要因に左右されます。信頼性の低い業者では、これらの要素が十分に管理されていないために、結果が不正確になるリスクが生じるのです。特に出生前DNA鑑定では、母体血液中の胎児DNA割合(fetal fraction)が低い場合に解析が困難になることがあり、高度な技術と厳密な品質管理が不可欠です。
結果に疑問をお持ちの方は再検査をご検討ください
出生前DNA鑑定の結果に納得がいかない方、報告書に父権肯定確率(POP:Probability of Paternity)の記載がない方、あるいは結果に少しでも疑問をお感じの方は、ぜひ弊社までご相談ください。再検査により結果が覆る可能性は十分にあります。
DNA鑑定は人生の重要な決断に直結する検査です。正確で信頼性の高い結果を得るためには、国際基準を満たした実績ある検査機関を選ぶことが何よりも大切です。弊社では、出生前DNA鑑定に関するご質問やご不安に対して、専門スタッフが丁寧にお答えいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問
Q1. 父権肯定確率(POP)とは何ですか?
A. 父権肯定確率(POP:Probability of Paternity)とは、DNA鑑定で得られた遺伝子型データに基づき、被検者が胎児の生物学的な父親である確率を数値で表したものです。国際基準では99.9%以上が求められており、この数値が報告書に記載されていることが信頼できる鑑定の証となります。
Q2. なぜ父権肯定確率を記載しない業者が存在するのですか?
A. 検査に使用する遺伝子座の数が不足している、解析技術が不十分であるなどの理由から、国際基準を満たす確率が算出できない可能性があります。また、仲介業者が海外の検査機関に外注している場合、報告書の翻訳過程で確率データが省略されるケースも考えられます。
Q3. 以前他社で受けた鑑定結果に疑問がある場合、どうすればよいですか?
A. 弊社(seeDNA遺伝医療研究所)での再検査をお勧めします。2019年だけで十数件の結果が覆った実績があり、父権肯定確率が明記されていない報告書の場合は特に再鑑定の必要性が高いと考えられます。お気軽にご相談ください。
Q4. 出生前DNA鑑定は母体や胎児に危険はありますか?
A. 弊社で実施しているNIPPT(非侵襲的出生前親子鑑定)は、妊婦様の血液採取のみで行うため、羊水穿刺などの侵襲的処置は一切不要です。母体にも胎児にもリスクのない安全な検査方法です。
Q5. 国際基準「父権肯定確率99.9%」を保証している検査機関は世界にいくつありますか?
A. 2020年1月現在、出生前DNA鑑定において父権肯定確率99.9%以上を保証している検査機関は、弊社seeDNA(日本)、Natera/DDC(アメリカ)、GTL(オーストラリア)、およびイギリスの機関を含めた計4カ所のみです。
Q6. 父権肯定確率が99.99%と99.9%ではどのような違いがありますか?
A. 99.9%は「1,000人に1人は偶然一致する可能性がある」ことを意味し、99.99%は「10,000人に1人」となります。弊社では99.99%以上の精度で結果を報告しており、より高い信頼性を確保しています。数値が高いほど、偶然の一致による誤判定のリスクが低くなります。
seeDNA遺伝医療研究所の安心サポート
seeDNA遺伝医療研究所は、国際品質規格ISO9001とプライバシー保護のPマークを取得している安心と信頼のDNA鑑定・遺伝子検査の専門機関です。
家族や親子の血縁関係、パートナーの浮気などにお悩みでしたら、DNA鑑定の専門家が、しっかりとご安心いただけるようサポートいたしますのでお気軽にお問合せください。
【専門スタッフによる無料相談】

著者
医学博士 富金 起範
筑波大学大学院 生体統御・分子情報医学 修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発
【参考文献】
(1) 遺伝子検査・DNA鑑定のseeDNA, 2025年12月(2) Bioinformatics, 2012年10月
(3) J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci, 2017年8月