DNA暗号解読の歴史を築いた偉人達と研究内容をご紹介
2018.09.11
ワトソンとクリック
DNAに関して学んだことがある人で、ワトソンとクリックの両名を知らない人はいないでしょう。
この二人によって、DNAの中に並ぶ4種類の塩基の並び方が、生物の特徴を示す暗号らしい事がわかりました。
4種の塩基の配列が具体的に何を表しているかは、アカパンカビというカビの突然変異の研究により解明されました。
DNAの配列が変わると、タンパク質も変化することが発見されたのです。
すなわち、DNAの塩基配列は、タンパク質分子の構造を示している、ということができます。
タンパク質はアミノ酸という比較的単純な物質が連結してできる大きな分子です。
ということは、DNAの塩基配列はアミノ酸の配列を示しているという事になります。
生物がタンパク質を合成するのに用いるアミノ酸は20種類ほどあります。
それでは、4種類の塩基でどのように20種類のアミノ酸配列を示すことができるのでしょうか。
ニーレンバーグ
1961年、ニーレンバーグという学者が、細胞から取り出した各種の物質を試験管内で混ぜ合わせ、タンパク質を合成することに成功しました。彼はまず、核酸の一種であるRNAを人工的に合成しました。
RNAとはDNA塩基配列をコピーして、タンパク質合成の基になる物質です。
塩基Tの代わりに別の塩基Uが使われている点がRNAとDNAとの相違点ですが、RNAはウィルスなどではDNAの役割を担うこともある物質です。
ニーレンバーグは塩基Uだけが連続した人工RNAを合成し、そこからタンパク質を合成しました。
するとフェニルアラニンというアミノ酸一種類のみが連結したタンパク質ができました。
この発見を基に、UUUという3塩基の配列がフェニルアラニンを指定する暗号であることが判明したのです。
オチョアとニーレンバーグの暗号解読競争
そしてオチョアという学者とニーレンバーグはこのような暗号解読の競争を始めます。何種類かの塩素を混ぜた新しいRNAを使うたびに、異なるアミノ酸を含むタンパク質が合成されました。
そのたびに遺伝子の暗号が一つ一つ解読されていきました。
そして1965年には64種類(塩基4種類のため、3個の塩基の並び方は4×4×4 = 64通り)の暗号はすべて解読されました。
現在では、人間の全てのDNA配列が明らかにされ、DNAから作り出されるタンパク質の暗号までが全て解読されています。
そしてDNAは個人の特定や、血縁関係、病気のリスク評価や外見的な特徴などを調べるツールとして利用されるようになりました。
我々seeDNAもDNAを取り扱う会社として、偉大な学者たちの研究を応用することで、皆様に優れたサービスを提供したいと思います。