妊娠中の胎児DNA鑑定とは?鑑定の種類や有効性についてご説明

2021.04.30

リライティング日:2025年02月10日

出生前DNA鑑定とは、妊娠中に母体血から胎児由来cfDNAを採取し、父親候補のDNAと比較して親子関係を判定する検査です。私的鑑定と法的鑑定の2種類があり、NGS技術により99.99%以上の精度を実現しています。

出生前DNA鑑定とは何か

出生前DNA鑑定とは何か「お腹の子は自分の子どもではないのでは」という疑いや、どの男性との行為による妊娠なのか出産前に確かめたい——そうした不安や疑問を抱えたまま出産を迎えることは、精神的にも大きな負担となります。こうした問題に対して最も確実な方法が「出生前DNA鑑定」です。

出生前DNA鑑定とは、妊娠中の段階で胎児のDNA情報と、父親の可能性がある男性のDNA情報を科学的に比較・照合することで、生物学的な親子関係の有無を高い精度で判定する検査のことを指します。従来は出産後にしか行えなかったDNA親子鑑定が、現代の分子遺伝学の進歩により、妊娠中でも安全かつ正確に実施できるようになりました。

この技術が実用化される以前は、親子関係の確認は出生後に血液型検査やSTR(ショートタンデムリピート)解析で行うのが一般的でした。しかし、妊娠中の不安を長期間抱え続けることは母体の精神衛生上も好ましくなく、出生前に確認できる手段の登場は多くの方にとって大きな意義を持っています。1997年にDennis Loらが母体血中の胎児由来cfDNA(セルフリーDNA)を発見して以来、この分野の技術は飛躍的に発展してきました。(1)

検査に使用する検体の種類

出生前DNA鑑定には、大きく分けて以下の2つの方法があります。

  • 母体血(非侵襲的方法):妊娠中の母親の血液を採取し、血液中に含まれる胎児由来のcfDNA(セルフリーDNA)を解析する方法です。母体を傷つけることなく検査できるため、胎児や母体へのリスクがほぼありません。
  • 羊水・絨毛膜(侵襲的方法):羊水穿刺や絨毛検査によって胎児の遺伝情報を直接採取する方法です。侵襲的な処置を伴うため、ごくわずかながら流産のリスクが存在します。

現在、出生前DNA鑑定の99%は母体血による非侵襲的な検査として実施されています。当社(seeDNA遺伝医療研究所)では、母体血を使用する検査を妊娠7週目以降から受けることが可能です。この早い時期から鑑定が可能なのは、妊娠初期から母体の血液中に胎児由来のDNA断片が微量ながら存在しており、それをNGS(次世代DNA配列解析手法:Next Generation Sequencing)の高精度な技術で検出・解析できるためです。(2)

NGS(次世代シーケンシング)とは

NGSとは、従来のサンガー法に比べて圧倒的に多くのDNA断片を同時並行で解析できる革新的な技術です。数百万〜数億のDNA断片を一度に読み取ることで、母体の血液中にわずかに含まれる胎児由来のDNAを正確に識別し、父親候補のDNAとの一致・不一致を判定します。この技術により、出生前DNA鑑定の精度は99.99%以上の信頼性を実現しています。(3)

NGSの登場以前は、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)ベースの手法が主流でしたが、母体血中に混在する母親自身のDNAと胎児のDNAを明確に区別することが技術的に困難でした。NGSでは、大量のDNA断片を並列的に解読し、バイオインフォマティクス解析によって母親と胎児のDNAプロファイルを統計的に分離することが可能です。これにより、胎児由来のDNA割合(胎児分画)が比較的低い妊娠初期であっても、高精度な鑑定が実現しています。(4)

採血は、全国370カ所以上あるseeDNA提携の病院や産婦人科をご紹介しており、予約の代行も行っております。お近くの医療機関で手軽に検体採取を受けていただくことが可能です。

cfDNA(セルフリーDNA)の発見と出生前鑑定への応用

cfDNA(cell-free DNA:セルフリーDNA)とは、細胞が破壊される際に血液中に放出されるDNA断片のことです。妊娠中の女性の血液には、胎盤のトロホブラスト細胞から放出される胎児由来のcfDNAが含まれています。1997年にDennis Lo氏が母体血漿中にY染色体由来のDNA配列を検出したことが、この分野の出発点となりました。(1)

母体血中の胎児cfDNAの割合は、妊娠初期では全cfDNAの約3〜6%程度ですが、妊娠週数の進行とともに徐々に増加し、後期にはおよそ10〜20%に達するとされています。 この割合は「胎児分画(Fetal Fraction)」と呼ばれ、鑑定の精度に直結する重要な指標です。当社では妊娠7週目以降の検体を対象としており、この時期であっても十分な胎児分画を確保できることが実績として確認されています。

出生前DNA鑑定の種類について

出生前DNA鑑定の種類について

当社の出生前DNA鑑定は、「私的鑑定」「法的鑑定」の2種類をご用意しています。鑑定結果をどのような目的で利用するかに合わせて、適切な方をお選びください。

私的鑑定とは

私的鑑定は、主に個人的な親子関係の確認を目的として利用する鑑定です。以下のような特徴があります。

  • 検査用キットを郵送でお届けし、ご自宅などで検体を採取していただきます
  • 本人確認書類は一切不要で、プライバシーが守られます
  • 検体採取を依頼人様にお任せする形式のため、手続きが簡便です
  • 調停・裁判といった公的な場での利用は保証できません

私的鑑定は、あくまでも「自分自身の不安を解消したい」「個人的に事実を確認したい」というニーズに最適な鑑定方法です。郵送だけで完結するため、時間的・地理的な制約が少なく、忙しい方でも気軽にDNA鑑定を受けることができます。検査精度は法的鑑定と全く同じであるため、鑑定結果の信頼性については何ら遜色がありません。

法的鑑定とは

法的鑑定は、親子関係をめぐる裁判や調停、大使館への書類提出、入国管理局での手続きなど、公的な場でDNA鑑定書を証拠として提出する必要がある場合に利用する鑑定です。

  1. 全国200カ所以上の提携法律系事務所のいずれかにお越しいただきます
  2. 専門スタッフの立ち合いのもとで検体採取を実施します
  3. 身分証明書の確認および検体採取時の写真撮影を行います
  4. 被験者同士の血縁関係を保証する正式な報告書を発行します

法的鑑定では、検体の採取から保管・輸送に至るまで厳格なチェーン・オブ・カストディ(証拠管理の連鎖)が維持されるため、鑑定書が裁判所等で正式な証拠として採用される高い信頼性を持ちます。チェーン・オブ・カストディとは、検体が誰によって採取され、どのように輸送・保管され、誰が解析したかの全記録を途切れなく文書化する仕組みのことです。この記録が一つでも途切れると、法的な証拠能力が損なわれる可能性があるため、専門スタッフが厳格に管理を行います。専門スタッフの立ち合いは無料で行っていますので、費用面でも安心してご利用いただけます。(5)

「私的」と「法的」どちらを選ぶべきか?

「私的」と「法的」どちらを選ぶべきか?私的鑑定と法的鑑定の検査精度は全く同じです。違いは鑑定結果の利用目的と、検体採取時の手続きにあります。

以下の基準を参考に、ご自身の状況に最適な鑑定を選択してください。

比較項目私的鑑定法的鑑定
利用目的個人的な確認裁判・調停・公的手続き
本人確認不要必要(身分証提示)
検体採取自宅で郵送対応提携事務所で立会い

法的鑑定を選ぶべきケース

鑑定結果を裁判や調停で証拠として利用する可能性がある場合は、迷わず法的鑑定をお選びください。私的鑑定では本人確認と検体採取時の立会いを行っていないため、鑑定書を法的書類として利用できるかは保証ができません。後から「法的鑑定にしておけばよかった」とならないためにも、少しでも法的利用の可能性がある場合は法的鑑定をお勧めします。具体的には、認知請求、養育費の請求、離婚調停、相続問題、ビザ・入国管理手続きなどが該当します。

私的鑑定を選ぶべきケース

裁判や調停などは検討しておらず、あくまでも個人的に親子関係を確認したい場合には、私的鑑定が最適です。本人確認不要かつ、郵送のやり取りのみで検査が完了するため、手軽にDNA鑑定を受けることができます。周囲に知られることなく結果を確認したいという方にとっても、プライバシーが保たれる私的鑑定は安心の選択肢です。

出生前DNA鑑定の流れ

出生前DNA鑑定がどのような手順で進むのか、一般的な流れをご紹介します。

  1. お問い合わせ・ご相談:電話やメールで当社にご連絡ください。専門スタッフがご状況を伺い、最適な鑑定プランをご案内します。鑑定の目的、妊娠週数、検体の種類など、不明点はこの段階で何でもご相談いただけます。
  2. お申し込み・検体採取の手配:鑑定の種類を決定後、母体血の採血のための医療機関をご紹介します。父親候補の検体(口腔粘膜スワブ等)も準備していただきます。私的鑑定の場合は検査キットをご自宅に郵送いたします。
  3. 検体の送付・受領:採取した検体を当社ラボへ送付していただきます。法的鑑定の場合は提携事務所から直接送付されます。検体は適切な温度管理のもとで輸送され、品質が厳格に維持されます。
  4. DNA解析:NGS技術を用いて胎児由来cfDNAと父親候補のDNAを比較解析します。 バイオインフォマティクス解析により、数十万〜数百万のSNP(一塩基多型)マーカーを用いて高精度な判定を行います。
  5. 結果報告:鑑定結果をまとめた報告書を発行し、郵送またはメールにてお届けします。結果は「父子関係が認められる(確率99.99%以上)」または「父子関係が認められない(確率0%)」のいずれかで明確に提示されます。

出生前DNA鑑定の精度と安全性

当社の出生前DNA鑑定は、NGSによる高精度な解析技術を基盤としており、99.99%以上の精度で親子関係の判定が可能です。母体血を使用する非侵襲的検査では、母親の腕から少量の血液を採取するだけで済むため、胎児に針を刺すなどの処置は一切必要ありません。したがって、流産や感染のリスクを心配する必要がなく、母体にも胎児にも安全な検査方法です。(3)

妊娠7週目という早期から検査可能であることも、当社の出生前DNA鑑定の大きなメリットです。妊娠初期の段階で親子関係が判明することにより、その後の妊娠生活や将来の計画について、より早い時期から安心して考えることができます。

胎児分画(Fetal Fraction)と精度の関係

出生前DNA鑑定の精度を左右する重要な要素の一つが「胎児分画(Fetal Fraction)」です。これは、母体血中の全cfDNAに占める胎児由来cfDNAの割合を示す値です。胎児分画が低すぎると、母親のDNAに胎児のDNAが埋もれてしまい、正確な判定が困難になる可能性があります。

一般的に、検査に必要な胎児分画の閾値は約4%以上とされており、妊娠7週目以降であればほとんどのケースでこの基準を満たすことが確認されています。当社では、解析の過程で胎児分画を算出し、十分な分画が確保されていることを確認した上で結果を報告しております。万が一、胎児分画が不足していると判断された場合は、妊娠週数がさらに進んだ段階での再検査をご案内するなど、正確な結果をお届けするための対応を行っています。

母体へのリスクについて

母体血を用いた非侵襲的出生前DNA鑑定は、一般的な採血と同じ方法で行われます。羊水穿刺(約0.1〜0.3%の流産リスクがあるとされる)と比較して、母体血による検査は侵襲性がゼロに等しく、WHO等の国際機関も非侵襲的検査法の安全性を評価しています。

出生前DNA鑑定を検討する際の心理的サポート

出生前DNA鑑定を検討される方は、検査そのものへの不安だけでなく、結果がもたらす心理的影響についても懸念されることが少なくありません。「もし結果が予想と違っていたらどうしよう」「検査を受けること自体がパートナーとの関係に影響するのでは」といった悩みを抱える方もいらっしゃいます。

当社では、鑑定の前後を通じて専門スタッフが親身にご対応いたします。検査に関する技術的なご質問はもちろん、結果を受け取った後のお気持ちの整理についてもサポートさせていただきます。必要に応じて、カウンセリング等の専門的な支援をご案内することも可能です。出生前DNA鑑定は、科学的な事実の確認を通じて、将来に向けた建設的な判断を下すための手段です。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

最後に

私的鑑定、法的鑑定のどちらであっても、妊娠中に胎児の親子関係が確認できるという出生前DNA鑑定の本質に変わりはありません。妊娠による親子関係に不安を抱えている場合は、どんなにささいなことでも結構ですので、当社までお気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが親身になってご対応いたします。

出生前DNA鑑定は、科学的根拠に基づいた最も信頼性の高い親子関係確認の手段です。NGS技術と母体血中cfDNA解析の組み合わせにより、妊娠7週目という早期から、母体にも胎児にも安全な形で99.99%以上の精度の鑑定結果を得ることができます。不安を一人で抱え込まず、まずはご相談いただくことが解決への第一歩となります。

妊娠中の胎児DNA鑑定

よくあるご質問

Q1. 出生前DNA鑑定はいつから受けられますか?

A. 当社では、母体血を使用する検査で妊娠7週目以降から鑑定が可能です。妊娠初期から母親の血液中に胎児由来のcfDNA(セルフリーDNA)が含まれており、NGS技術によって解析することができます。

Q2. 出生前DNA鑑定は胎児や母体に危険はありますか?

A. 母体血を使用する非侵襲的検査の場合、母親の腕から少量の血液を採取するだけですので、胎児や母体を傷つける心配はありません。羊水穿刺のような侵襲的処置は行わないため、流産等のリスクもほぼゼロです。

Q3. 私的鑑定と法的鑑定で精度に差はありますか?

A. いいえ、検査精度は全く同じです。違いは鑑定結果の利用目的と手続きにあります。法的鑑定では本人確認と専門スタッフの立会いを行うことで、裁判や調停で証拠として使用できる正式な報告書を発行します。

Q4. 父親候補の男性の協力が得られない場合はどうすればよいですか?

A. DNA鑑定では原則として父親候補のDNA検体が必要となります。直接的な協力が難しい場合でも、口腔粘膜スワブ以外の検体(使用済みの歯ブラシや毛髪など)で対応できる場合がありますので、まずは当社にご相談ください。

Q5. 鑑定結果が出るまでにどのくらいの期間がかかりますか?

A. 検体が当社ラボに到着してから、通常約5〜7営業日で結果をお伝えしています。お急ぎの場合は特急対応のオプションもございますので、お問い合わせの際にお申し付けください。

Q6. 出生前DNA鑑定の結果はどのように届きますか?

A. 鑑定結果は、郵送またはメールにて報告書としてお届けします。法的鑑定の場合は、公的機関への提出に対応した正式な鑑定書を発行いたします。結果についてのご質問があれば、専門スタッフが丁寧にご説明いたします。

Q7. 双子を妊娠している場合でもDNA鑑定は可能ですか?

A. 双子(多胎妊娠)の場合でも出生前DNA鑑定は可能ですが、一卵性双生児と二卵性双生児では解析のアプローチが異なります。詳細な条件については個別にご相談ください。当社の専門スタッフが最適な検査プランをご提案いたします。

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医学博士 富金 起範著者

医学博士 富金 起範

筑波大学大学院 生体統御・分子情報医学 修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発

【参考文献】

(1) Nat Genet, 2011年5月
(2) Pediatr Surg Int, 1997年
(3) Wilderness Environ Med, 2012年3月
(4) JAMA Cardiol, 2016年12月
(5) Genet Med, 2012年3月
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