バニシングツインが出生前DNA鑑定に与える影響について
2024.08.07
著者
出生前の胎児DNA鑑定(NGS)担当M
所属:株式会社seeDNA 検査部
バニシングツインとは
バニシングツインとは、妊娠初期に多胎妊娠であった胎児の一方が自然に消失する現象です。
この現象は、超音波検査で確認された胎児がその後の検査で見られなくなることで発覚します。バニシングツインは、一般的には妊娠初期の6週から8週の間に発生しやすく、残った胎児には通常大きな影響はありません。しかし、妊娠の進行と胎児の健康状態を確認するために、さらなる検査が推奨されることがあります。
バニシングツインの発生原因
バニシングツインの発生原因として、胎児の遺伝的異常や発育不全が主な要因と考えられています。これらの要因により、胎児が正常に発育できず、自然に消失してしまうことが多くあります。
また、体外受精(IVF)の技術が進化するにつれて、多胎妊娠が増えており、それに伴ってバニシングツインの発生するケースも増加していると言われています。
出生前DNA鑑定と新型出生前診断
妊娠中のDNA検査は、目的によって大きく2つに分かれています。
一つ目は、母体血中に存在する胎児のDNAを分析することで、胎児の父親を確認する「出生前DNA鑑定(NIPPT)」です。
二つ目は、ダウン症候群(トリソミー21)やエドワーズ症候群(18トリソミー)などの染色体異常のリスクがわかる「新型出生前診断(NIPT)」です。
どちらの検査も、侵襲的な羊水検査や絨毛膜検査と違って、流産のリスクがないため、近年ではヨーロッパやアメリカを中心に実施件数が急増しているDNA検査です。
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バニシングツインがDNA検査に与える影響
バニシングツインが発生した場合、NIPPTやNIPTの結果に影響を与える可能性があります。消失した胎児のDNAが母体の血液中に残存することがるため、これにより検査結果に混乱が生じることがあるのです。
例えば、親子関係の鑑定を行う際に検出される胎児のDNAが消失した胎児のものであった場合、正しい親子関係を示すことが難しい場合があります。
また、新型出生前診断(NIPT)では、消失した胎児が染色体異常を持っていた場合、そのDNAが検出され、実際には健常な残存胎児に対して正しい遺伝性疾患のリスクを出せないといった可能性もあります。このような状況では、医師と相談することが重要です。場合によっては、追加の確定的な検査(例:羊水検査や絨毛検査)が必要になることもあります。
バニシングツイン後の妊娠の継続
バニシングツインが確認された場合は、医療的、心理的、生活習慣の観点で注意が必要です。
例えば、残った胎児の成長と発育を監視するための定期的な超音波検査、母体の健康状態を確認するための必要な栄養素やホルモンバランスのチェック、家族や友人と感情を共有しサポートを受けることによるストレスの軽減など、様々な手段で母体と残った胎児の健康を維持することで、安心して妊娠を継続することができます。
出生前の親子DNA鑑定は、胎児や母体に安全な方法で妊娠中に父親を特定する有用な手段ですが、バニシングツインなどの特殊な状況があることを知らずに検査を行うと検査が混乱し、正しい結果をお出しするのに時間がかかってしまうことがあります。
鑑定を開始する前にご連絡をいただくことで、正しい結果を早く報告することができるためご協力をお願いいたします。
seeDNAでは2025年2月に、出生後の赤ちゃんを対象に、バニシングツインを検出できる特殊DNA鑑定を開始する予定です。
seeDNAの安心サポート
seeDNAは、国際品質規格ISO9001とプライバシー保護のPマークを取得している安心と信頼のDNA鑑定の専門機関です。
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