妊娠前の大切な相性診断!DNAマッチングサービスとNIPTの違いは?

2021.05.20

リライティング日:2025年02月22日

NIPTは妊娠後に胎児の染色体異常を調べる出生前検査であり倫理的議論を伴う一方、seeDNAの「DNAマッチング」は妊娠前にパートナーとの遺伝的相性や遺伝疾患リスクを確認できる新しい遺伝子検査サービスです。

注目を集めているNIPTとは

注目を集めているNIPTとは近年、日本では晩婚化・晩産化が急速に進んでおり、厚生労働省の人口動態統計によれば、平均初婚年齢および第一子出産年齢はともに上昇を続けています。母体の年齢が上がると、卵子の減数分裂における染色体不分離のリスクが高まることが科学的に明らかになっており、結果として胎児の先天性染色体異常が発生する確率が増大します。こうした社会的・医学的背景の中で、「新型出生前検査(以下、NIPT:Non-Invasive Prenatal Testing)」が大きな注目を集めるようになりました。(1)

NIPTとは、妊娠初期(概ね9〜10週以降)に妊婦から少量の血液を採取し、その血液中に含まれる胎児由来のセルフリーDNA(cell-free DNA:cfDNA)を次世代シーケンサー(NGS)などの先端技術で分析することで、染色体異常の有無をスクリーニングする検査です。具体的には、主にトリソミー21(ダウン症候群)、トリソミー18(エドワーズ症候群)、トリソミー13(パトウ症候群)といった常染色体の数的異常を高い感度で検出することが可能とされています。(2)

従来の出生前検査として広く行われてきた羊水検査や絨毛検査は、子宮に針を刺して検体を採取する「侵襲的検査(invasive test)」であり、約0.1〜0.3%の確率で流産を引き起こすリスクが指摘されてきました。これに対して、NIPTは母体の末梢血からの採血のみで実施できる「非侵襲的検査(non-invasive test)」であるため、母体や胎児への身体的負担が極めて少ない点が最大の特長です。こうした安全性の高さから、NIPTの受検を希望する妊婦は国内外で年々増加し、日本でも2013年の臨床研究開始以降、受検者数は急速に拡大しています。

NIPTの検査精度と限界

NIPTはスクリーニング検査として非常に高い感度と特異度を有していますが、あくまで「非確定的検査」であることを正しく理解しておく必要があります。例えば、ダウン症候群(トリソミー21)に対する感度は約99%以上と報告されており、エドワーズ症候群(トリソミー18)やパトウ症候群(トリソミー13)に対しても90%を超える感度が示されています。しかしながら、これらの数値はあくまで感度(疾患がある場合に陽性と判定される確率)であり、検査結果が「陽性」であったとしても、それが真の陽性であるか偽陽性であるかを判断するためには、羊水検査や絨毛検査といった確定的検査を追加で受ける必要があります。

また、NIPTが検出できるのは主に染色体の数的異常(異数性)に限られており、微細な染色体欠失や重複、単一遺伝子変異(点変異など)に起因する遺伝疾患については検出対象外となるケースが大半です。このように、NIPTは万能な検査ではなく、その検査精度と限界を十分に理解した上で受検することが、適切な意思決定のために極めて重要です。

NIPTが抱える倫理的課題

NIPTは妊娠中に実施される検査であるため、検査結果が陽性であった場合に、胎児の疾患を理由とした人工妊娠中絶を助長してしまうのではないかという深刻な倫理的問題が常に議論の俎上に上がっています。実際に、NIPT啓蒙推進局のサイト情報によると、2013年4月〜2017年9月までの期間にNIPTを受けて染色体異常であると確定診断(羊水検査等による確認含む)された方のうち、約97%が人工妊娠中絶を選択しているというデータが報告されています。この数字は、出生前検査のあり方について社会全体で真剣に考えるべき重要な論点を提起しています。

止まらない医療技術の進歩に対し、倫理的観点、社会的観点、宗教的観点など多様な意見が複雑に絡み合い、容易には結論が出せない状況が続いています。日本産科婦人科学会でも、NIPTの実施に関するガイドラインの改定や認定施設の拡充が議論されており、適切な遺伝カウンセリング体制の整備が急務とされています。特に、検査前のインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)と検査後のフォローアップ体制の充実が求められており、妊婦やそのパートナーが科学的に正確な情報を得た上で自律的な判断を下せる環境づくりが重要です。

  • NIPTは妊娠9〜10週以降に採血のみで受けられる非侵襲的な出生前検査
  • 主にダウン症候群(トリソミー21)などの染色体数的異常をスクリーニングする
  • 従来の羊水検査と比較して母体・胎児への身体的リスクが極めて低い
  • スクリーニング検査であり、陽性の場合は確定的検査が別途必要
  • 妊娠中の検査であるため、検査結果によっては人工妊娠中絶に関する倫理的議論がある
  • 適切な遺伝カウンセリングの体制整備が社会的課題となっている

seeDNAの「DNAマッチング」は「妊娠をする前に」確認できる遺伝子検査サービス

seeDNAの「DNAマッチング」は「妊娠をする前に」確認できる遺伝子検査サービス一方、株式会社シードナ(seeDNA)が提供する新サービス「DNAマッチング」は、NIPTとは全く異なるアプローチの遺伝子検査です。DNAマッチングでは、パートナー同士の遺伝的相性を科学的に調べることができるほか、優れた遺伝子を子どもに伝えられる可能性の評価や、カップルの遺伝子の組み合わせに起因する遺伝疾患のリスクなどについても総合的に把握することが可能です。(3)

最大の特長は、「妊娠をする前に」お互いの遺伝的相性や将来の子どもへの遺伝疾患リスク等を事前に確認できるという点にあります。このコンセプトは、従来の出生前検査の枠組みを根本から覆すものであり、まさに新型「妊娠前」検査とも呼べるサービスです。NIPTが「妊娠後に胎児の状態を知る」ための検査であるのに対し、DNAマッチングは「妊娠前にカップルの遺伝的な組み合わせを理解する」ための検査であり、両者は本質的に異なる目的と意義を持っています。

DNAマッチングとNIPTの根本的な違い

DNAマッチングは妊娠前に実施する遺伝子検査であるため、NIPTのような特定の染色体異常が「陽性」か「陰性」かをはっきりと判定する検査とは性質が大きく異なります。すでに存在する胎児の疾患を発見する検査ではなく、将来的なリスクの傾向を事前に把握するためのサービスであるため、人工妊娠中絶を助長する可能性は極めて少ないと考えられます。この点は、NIPTが抱える倫理的課題とは根本的に異なる位置づけであり、DNAマッチングの大きな社会的意義のひとつです。

具体的には、パートナー双方のゲノム情報を比較分析することで、二人の遺伝子の組み合わせから生じうるリスクを包括的に評価します。これにより、カップルは妊娠前の段階で十分な情報を得た上で、将来の家族計画について主体的かつ冷静に判断を下すことができます。

常染色体劣性遺伝(潜性遺伝)と保因者スクリーニングの意義

遺伝性疾患の多くは「常染色体劣性遺伝(潜性遺伝)」の形式をとります。これは、両親の双方が同じ遺伝子変異の「保因者(キャリア)」である場合に限り、子どもがその疾患を発症するリスクが生じるという遺伝の仕組みです。保因者自身は通常、疾患の症状を示さないため、自分が特定の遺伝子変異を持っていることに気づかないケースが大半です。

例えば、嚢胞性線維症(Cystic Fibrosis)やフェニルケトン尿症、鎌状赤血球症といった遺伝疾患は、いずれも常染色体劣性遺伝の形式をとります。両親がともに同じ遺伝子変異の保因者である場合、子どもが疾患を発症する確率は理論上25%となります。DNAマッチングでは、カップル双方の遺伝情報を比較分析することで、こうした保因者の組み合わせによるリスクを事前に評価することが可能です。(3)

海外では「拡張キャリアスクリーニング(Expanded Carrier Screening:ECS)」として、妊娠前にカップル双方の保因者状態を調べる検査が普及しつつあり、米国産婦人科学会(ACOG)も2017年にキャリアスクリーニングに関する見解を発表しています。seeDNAのDNAマッチングは、こうした国際的な潮流を踏まえた先進的なサービスと位置づけることができます。

  1. パートナー双方がDNA検体(唾液等)をseeDNAに提出する
  2. seeDNAの国際品質規格ISO9001認定の専門ラボでゲノム情報を高精度に解析する
  3. カップルの遺伝的相性・遺伝疾患リスク・次世代に伝わる可能性のある遺伝的特徴を総合評価する
  4. 詳細な結果レポートが作成され、専門スタッフによるわかりやすい説明とともにお届けする
  5. 結果レポートに基づき、専門家の助言のもとで将来のファミリープランニングを検討する

NIPTとDNAマッチングの比較

比較項目NIPTDNAマッチング
検査時期妊娠9〜10週以降妊娠前(いつでも可)
対象者妊婦カップル双方
主な目的胎児の染色体異常スクリーニング遺伝的相性・疾患リスク把握

このように、当社のDNAマッチングサービスとNIPTは、同じ「遺伝子検査」というカテゴリーに含まれるものの、検査の時期・目的・対象・倫理的位置づけにおいて全くの別物であることがお分かりいただけるでしょう。NIPTは妊娠後の胎児を対象とした「診断寄り」の検査であり、DNAマッチングは妊娠前のカップルを対象とした「予防・計画寄り」の検査です。両者はいずれも遺伝子の情報を活用するサービスではありますが、そのアプローチと社会的意義は大きく異なります。

妊娠前から始めるファミリープランニングの重要性

子どもの未来は、妊娠してから考えるのではなく、パートナーとともに妊娠前から主体的に考えることが大切です。世界保健機関(WHO)や各国の産婦人科学会は、「プレコンセプションケア(Preconception Care)」として、妊娠前の健康管理や遺伝的リスク評価の重要性を繰り返し提唱しています。プレコンセプションケアには、栄養状態の改善、葉酸摂取の開始、慢性疾患の管理、喫煙・飲酒の中止といった生活習慣の見直しに加え、遺伝的リスクの評価も重要な構成要素として位置づけられています。

DNAマッチングは、こうしたプレコンセプションケアの一環として、科学的な根拠に基づいたファミリープランニングを支援するサービスです。妊娠前にカップルの遺伝的な組み合わせを把握しておくことで、将来的に生まれてくる子どもの健康リスクを事前に理解し、必要に応じて医療専門家と相談しながら最適な選択肢を検討することが可能になります。

日本においても、少子化対策や母子保健の観点から、妊娠前からの包括的な健康管理の重要性がますます認識されるようになっています。厚生労働省は「健やか親子21(第2次)」の中で、妊娠前からの健康づくりの推進を掲げており、プレコンセプションケアの概念が日本の母子保健政策にも浸透しつつあります。(1)

遺伝カウンセリングと専門家サポートの必要性

遺伝子検査の技術は日々進歩していますが、その活用方法には検査を受ける側の正しい理解と、適切な専門家のサポートが不可欠です。NIPTであれDNAマッチングであれ、遺伝子検査の結果は確率的な情報を含んでおり、その解釈には専門的な知識が求められます。検査結果を正しく理解せずに不必要な不安を抱えたり、誤った判断を下したりすることがないよう、遺伝カウンセリングの重要性は今後ますます高まっていくでしょう。

seeDNAでは、検査結果の報告だけでなく、専門知識を持つスタッフが結果の意味や今後の選択肢について丁寧にご説明する体制を整えています。DNAマッチングの結果レポートを受け取った後も、疑問点や不安がある場合は何度でもご相談いただくことが可能です。将来のお子さまの健康について不安をお持ちの方、パートナーとの遺伝的相性について科学的に知りたいとお考えの方は、まずはお気軽にseeDNAまでご相談いただければと思います。

seeDNAの品質保証

seeDNA遺伝医療研究所は、国際品質規格ISO9001およびプライバシー保護のPマークを取得しており、検査精度と個人情報保護の両面において高い信頼性を確保しています。すべての検査工程は厳格な品質管理のもとで実施され、お客様の大切な遺伝情報を安全にお取り扱いしています。

よくあるご質問

Q1. NIPTとDNAマッチングの最も大きな違いは何ですか?

A. 最も大きな違いは「検査を行う時期」です。NIPTは妊娠9〜10週以降に実施する検査で、すでに存在する胎児の染色体異常をスクリーニングします。一方、DNAマッチングは妊娠前にカップル双方の遺伝情報を解析し、遺伝的相性や将来の子どもへの遺伝疾患リスクを事前に把握するサービスです。つまり、NIPTは「妊娠後の胎児」を対象とし、DNAマッチングは「妊娠前のカップル」を対象としています。

Q2. DNAマッチングを受けることで人工妊娠中絶につながることはありますか?

A. DNAマッチングは妊娠前に行う検査であり、すでに存在する胎児を対象としたものではないため、検査結果が直接的に人工妊娠中絶を助長する可能性は極めて低いと考えられます。あくまでカップルの将来設計に役立てるための情報提供サービスであり、NIPTが抱えるような倫理的課題とは根本的に異なる位置づけです。

Q3. NIPTで陽性と判定された場合、確定診断になるのですか?

A. NIPTはあくまでスクリーニング検査(非確定的検査)であり、陽性結果が出た場合でも、確定診断には羊水検査や絨毛検査などの侵襲的検査を別途受ける必要があります。NIPTの結果だけで最終的な診断を下すことはできません。偽陽性の可能性もあるため、陽性結果を受けた場合は必ず医療専門家と相談の上、次のステップを検討することが重要です。

Q4. DNAマッチングはどのような遺伝疾患のリスクを調べられますか?

A. DNAマッチングでは、カップル双方が同じ遺伝子変異の保因者である場合に子どもに発症リスクが生じる常染色体劣性(潜性)遺伝疾患などを中心に、遺伝的な組み合わせに起因するリスクを総合的に評価します。保因者自身は通常無症状であるため、検査を受けなければリスクに気づかないことが多いのが特徴です。詳細な検査項目についてはseeDNAまでお問い合わせください。

Q5. プレコンセプションケアとは何ですか?DNAマッチングとの関係は?

A. プレコンセプションケアとは、妊娠前から将来の妊娠・出産に備えて健康管理や遺伝的リスクの評価を行う取り組みのことです。WHOや各国の産婦人科学会がその重要性を提唱しており、栄養管理、葉酸摂取、生活習慣の改善に加え、遺伝的リスクの評価も重要な構成要素です。DNAマッチングは、このプレコンセプションケアの一環として活用できる遺伝子検査サービスであり、科学的データに基づいたファミリープランニングを支援します。

Q6. DNAマッチングの検査はどのように行われますか?

A. パートナー双方がDNA検体(唾液等)をseeDNAに提出していただきます。検体はISO9001認定の専門ラボで高精度に解析され、カップルの遺伝的相性や遺伝疾患リスクを総合的に評価した結果レポートが作成されます。結果のお届け時には、専門知識を持つスタッフが内容をわかりやすくご説明いたしますので、遺伝学の専門知識がない方でも安心してご利用いただけます。

seeDNA遺伝医療研究所の安心サポート

seeDNA遺伝医療研究所は、国際品質規格ISO9001とプライバシー保護のPマークを取得している安心と信頼のDNA鑑定・遺伝子検査の専門機関です。
家族や親子の血縁関係、パートナーの浮気などにお悩みでしたら、DNA鑑定の専門家が、しっかりとご安心いただけるようサポートいたしますのでお気軽にお問合せください。

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医学博士 富金 起範著者

医学博士 富金 起範

筑波大学大学院 生体統御・分子情報医学 修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発

【参考文献】

(1) 厚生労働省
(2) seeDNA, 2026年1月
(3) Aust N Z J Psychiatry, 2017年3月
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