遺伝子検査で運動能力が分かる?その関連性をご紹介!
2021.11.15
遺伝子と運動能力の関係性
運動が得意な人というのはそうでない人に比べて、「運動能力が高い」ということができます。
運動能力を構成する要素には、瞬発力や筋持久力、柔軟性、心肺持久力などがあり、文部科学省によれば、それらの運動能力を構成する要素はすべての子どもたちに必要であると規定されています。
そんな運動能力ですが、遺伝による影響が大きいことが明らかになっています。
オランダのブリエ大学生物心理学教室が行った双子研究によると、運動能力の遺伝率は65.5%という結果となりました(参考リンク1)
運動能力には、どのような遺伝子が関わっているのでしょうか。
瞬発力に関係する遺伝子
まず瞬発力には、ACTN3(α-アクチニン3)という遺伝子が関係しています。
ACTN3に特定の遺伝子型を持つ人は、筋肉の瞬発力に優れている傾向があり、短距離走やテニス、バレーボール、格闘技などが向いています。
一方で、筋肉が瞬発力に乏しい持久力型であった場合は、長距離マラソンやトライアスロンが向いています。
柔軟性に関係する遺伝子
続いて柔軟性には、ESR1(エストロゲン受容体1)という遺伝子が関係しています。
ESR1に特定の遺伝子型を持つ人は、筋肉の柔軟性に優れている傾向があるとわかっています。
筋肉の柔軟性は身体を動かす上で基盤となり、肉離れなどのケガをしにくいというメリットがあります。
スポーツ全般で必要になる要素ですが、特に体操競技や格闘技などが向いているといえます。
心肺持久力(スタミナ)に関係する遺伝子
心肺持久力(スタミナ)には、ADRB2(β2アドレナリン受容体)や、PPARGC1A(PPARγコアクチベーター1α)という遺伝子が関係しています。
これらの遺伝子に特定の遺伝子型を持つ人は、スタミナに優れている傾向があるとわかっています。
スタミナが優れていると体内に取り込んだ酸素を使って、糖や脂肪からエネルギーを作りやすくなり、長時間体力をキープして身体を動かすことができます。
こちらもスポーツ全般で必要な要素ですが、特に長距離マラソンや水泳などが向いています。
遺伝子検査で知る「向き・不向き」
このように、遺伝子と運動能力は大きく関係していることがわかります。
自分に備わった運動能力や、どんなスポーツが向いているのかを調べる際には、このような遺伝子タイプを参考にするのがいいでしょう。
また、運動能力以外にもスポーツにはメンタル面が重要です。注意力や気分の落ち込みやすさなども遺伝子検査で傾向を知ることができるため、併せて総合的に評価してみるのもよいのではないでしょうか。