遺伝子検査とは、目的別に適切な検査方法を解説

2021.11.01

目的別に適切な遺伝子検査を解説します

近年の遺伝子検査は、昔と比べて精度が上がり進歩してきているということもあり、様々な分野で活用されています。しかし、遺伝子検査というと病院で受けるイメージがあり、気になるけど「実際のところはよく分からない」という方が多いのではないでしょうか。そこで今回は、そもそも遺伝子検査とはどういうものなのか解説します。合わせて、目的別に適切な検査方法についてもご紹介します。

遺伝子検査とは

遺伝子検査とは、A(アデニン)・G(グアニン)・C(シトシン)・T(チミン)というDNA塩基が約30億個並んでいる場所を解析し、どのような順番で並んでいるかを調べる検査のことです。
健康に関わる遺伝子は全ての人で基本的に100%一致するため、データベースに基づいた塩基配列と比較し、被験者の遺伝子にどのような違いがあるのかを調べます。遺伝子検査によって病気の診断や、病気のかかりやすさなどの体質を知ることができます。
一例として、「CTGAGGT」という正常な配列の塩基に対して、「CTGTGGT」という配列は真ん中のAがTに置き換わっています。
これを変異といい、遺伝子検査では変異の有無によって、病気の診断や疾患リスク、体質、才能の傾向を調べることができます。

病院での遺伝子検査

遺伝子検査で患者一人ひとりに最適な医療を行うオーダーメイド医療は実現されつつあります

遺伝子検査と一概に言っても、病院で行われるものと、ネットなどで個人が直接申し込めるものとでは、検査の目的が異なります。
病院での遺伝子検査は、基本的に病気の診断や治療のために行われます。たとえば、がん細胞の遺伝子の変異を調べることによって、がんの種類を特定したり、使用する抗がん剤を決めたりというように、治療の方向性を定めることができます。
また、フェニルアラニン尿症のように、ひとつの遺伝子の変異が発病につながる単一遺伝子疾患が疑われるときには、遺伝子検査をして診断を確定することができます。
薬の副作用の出やすさや効果の有無など、個人個人の薬への感受性を調べるのにも遺伝子検査は有効です。

DTC遺伝子検査

染色体検査

これに対して、DTC(direct-to-consumer)遺伝子検査と呼ばれる通販などの遺伝子検査では、生活習慣病のリスクや太りやすさといった体質の傾向が、検査結果として示されます。
遺伝子検査の結果をもとに生活習慣を改善することで、疾病予防につながることが期待されています。
DTC遺伝子検査では、おもにSNP(スニップ)と呼ばれる個人間の遺伝情報の違いを解析します。人間のDNA配列は99.9%までが皆同じです。残り0.1%の違いが個人の差を生じさせており、そのなかで、一定の頻度で遺伝子配列の1個の塩基が別の塩基に置き換わっているものを、一塩基多型(SNP、スニップ)と呼びます。
このSNPが、個人間の体質の違いや病気のかかりやすさに関わっていることが近年わかってきました。DTC遺伝子検査は、SNPを解析し、研究論文などの統計データをもとに、確率として病気の罹患リスクや体質の傾向のデータを提供するものです。
多くの病気は複数の遺伝子が複雑に関係し合うことによって発症するものであり、いまだ解明されていない部分も多いので、今後の研究によってはDTC遺伝子検査の結果が変わってくる可能性もあります。

染色体検査との違い

一方で染色体検査は、塩基の並び順を調べる遺伝子検査とは異なり、DNA塩基の塊である染色体の数や形を調べる検査です。
染色体は、DNA塩基を含んだ遺伝子が折りたたまれた構造物です。通常は44本の常染色体と2本の性染色体がそれぞれペアで存在します。

染色体の異常には、数的な異常と形による構造的な異常があります。
例えば染色体の数的な異常として、21番目の染色体が3本ある場合を21トリソミーといい、ダウン症候群が引き起こされます。
また形や構造の異常としては、別の部分にくっついてしまう転座、一部が失われている欠失などがあります。
染色体検査を行う目的としては、がんや白血病の診断、先天性疾患の診断、出生前に胎児の染色体異常を調べるNIPT(新型出生前診断)などがあります。

このように遺伝子検査ではDNAの塩基配列、染色体検査では染色体の数や構造と、調べている部分や目的が異なります。

目的別の検査方法

遺伝子検査の現在

遺伝子検査について、検査の種類や染色体検査との違いについて説明してきましたが、どんな目的があるのかによって、それぞれ適切な検査方法が異なります。そこで、目的別に適切な検査方法をご紹介します。

①本当の親か確認したい場合の遺伝子検査

本当に自分の親かどうか不安で確認したいという方は、次世代DNA鑑定法で血縁関係を調べることができます。人間は誰しも父親と母親から半分ずつDNA情報を受け継いでいて、その情報は生涯変わることはないため、正確な結果を得ることが可能です。

親子DNA鑑定(父子・母子)について

②生まれる前に自分の子かどうか確認したい場合の遺伝子検査

妻の妊娠中に「本当に自分の子かどうかわからない」と不安なのでDNA鑑定をして親子関係を確認したいというお父様には、「出生前親子DNA鑑定」がおすすめです。
このDNA鑑定は妊娠中のお母様の血液と擬父の検体(基本的には口腔上皮)が必要なため、お母さまの協力も必要となります。

出生前親子DNA鑑定について

③早く赤ちゃんの性別が知りたい場合の遺伝子検査

妊娠中にできるだけ早く赤ちゃんの性別が知りたいという方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。一般的な性別判定では、産婦人科のエコー検査で確認することがほとんどですが、この場合の性別判定時期は妊娠16週ごろです。もっと早く赤ちゃんの性別が知りたいという方にとっておすすめなのが、妊娠7週から鑑定が可能な「次世代 胎児性別鑑定」です。

次世代 胎児性別鑑定

④本当の兄弟/姉妹か確認したい場合の遺伝子検査

本当の兄弟/姉妹かどうか知りたいという方は、次世代DNA型鑑定法によって正確に調べることができます。日常生活で感じてしまう違和感を払拭したい、本当のことが知りたいという方は、受けてみてはいかがでしょうか。血縁DNA鑑定にはさまざまなケースがあるので、検査機関に問い合わせてみるのがおすすめです。

血縁DNA鑑定

⑤ペットや動物の血縁関係を知りたい場合の遺伝子検査

飼っているペットや動物の血縁関係を知りたい、血統書が必要という場合には、動物の親子DNA鑑定を受けましょう。犬や馬のような多くの哺乳類動物は、人間と同様にDNAプロフィールを用いた親子DNA鑑定が可能です。人間と同じ鑑定法のため、正確性も保証しておりご安心いただけます。

動物の親子DNA鑑定

まとめ

今回は、遺伝子検査について詳しく解説しました。よく耳にするものの、実はよく知らなかったという方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。遺伝子検査の種類や検査方法について理解することで、実際にご自身がDNA鑑定・遺伝子検査を受ける際の参考にしていただければと思います。

関連記事
遺伝子検査の有効性とDNA型鑑定との違い
遺伝子検査をしてみましょう