DNA鑑定はすり替え可能?偽造防止のための対策をご紹介

2018.08.12

リライティング日:2024年09月28日

DNA鑑定の偽造は技術的にはほぼ不可能ですが、検体のすり替えなど人為的な不正が現実に起こり得ます。シードナでは法律事務所との提携や再検査体制で偽造防止に取り組んでいます。

DNA鑑定は、親子関係の確認から犯罪捜査まで幅広く利用されている科学的手法であり、その精度は極めて高いことで知られています。しかし、「DNA鑑定は偽造できるのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。結論から言えば、答えは「技術的には不可能だが、現実にはあり得る」です。本記事では、DNA鑑定の偽造がなぜ技術的に困難なのか、それにもかかわらず現実にどのようなリスクが存在するのか、そして株式会社シードナがどのような偽造防止策を講じているのかを、専門家の立場から詳しく解説いたします。

DNA鑑定の偽造はテクニカル的に不可能

DNA鑑定の偽造はテクニカル的に不可能DNA(デオキシリボ核酸)は、私たち一人ひとりの細胞に含まれる遺伝情報であり、一卵性双生児を除けば、全く同じDNA配列を持つ人間は地球上に存在しません。この個人固有性こそが、DNA鑑定が法科学において最も信頼性の高い個人識別手法とされる理由です。(1)

弊社の申込書には「骨髄移植を受けたか」についての確認項目があります。これは、他人から移植された骨髄に含まれている細胞が、被検者の体内で増殖し、検体として採取される可能性があるからです。骨髄移植を受けた方の場合、血液中の白血球DNAがドナーのものに置き換わる「キメリズム」と呼ばれる現象が起こることが知られています。ただし、口腔粘膜や毛根など血液以外の組織からDNAを採取すれば、被検者本人のDNAを正確に取得できるため、鑑定結果に影響を与える可能性としては限りなく0%に近いことです。(2)

それでは、意図的にDNA鑑定を偽造することは可能なのでしょうか。理論的に考えられる方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 採取を行う皮膚組織に他人の皮膚組織を移植することで自分のDNAを変える方法
  • 検体として採取する口腔上皮などに他人のDNAを持つウイルスなどを感染させる方法
  • 人工的に合成したDNAを検体に混入させる方法

しかし、これらの方法で完全に自分のDNAを入れ替えることは不可能です。人間の体は約37兆個もの細胞で構成されており、そのすべての細胞に含まれるDNAを別人のものに置き換えることは、現在の医学・科学技術では到底実現できません。仮に皮膚移植を行ったとしても、移植片と元の組織が混在するため、DNA鑑定を行えばキメラ状態(複数のDNAプロファイルが検出される状態)が明らかになります。口腔上皮にウイルスを感染させた場合も同様で、ウイルスDNAと宿主のヒトDNAは構造が全く異なるため、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を用いた現在の鑑定手法では容易に区別が可能です。

また、2009年にイスラエルの研究チームが人工的にDNAを合成して犯罪現場に残すことが理論上可能であると発表し話題となりましたが、実際の鑑定現場では検体の真正性を確認するための複数のチェック機構が存在するため、こうした手法が実際に鑑定を欺くことは極めて困難とされています。(3)

不可能なはずなのに、現実ではあり得る?

不可能なはずなのに、現実ではあり得る?技術的にDNAそのものを偽造することは不可能に近いにもかかわらず、DNA鑑定の結果が不正に操作されるリスクは、残念ながらゼロではありません。その最大の要因は「検体のすり替え」という人為的な不正行為です。

私的鑑定は、個人が血縁関係を確認するためだけのものですので、そもそも偽造の必要がありません。しかし、裁判用の鑑定であれば、その結果によって数千万から数億円が動くこともあります。遺産相続や認知請求訴訟、あるいは離婚訴訟における親子関係の立証など、DNA鑑定の結果が巨額の財産の帰趨を左右するケースは珍しくありません。

テレビドラマなどでも、検体採取の際、立会人となる鑑定会社のスタッフを買収し、検体を他人のものにすり替える、といったシーンがあります。これは重大な犯罪ですが、実際に検体採取に向かったスタッフが買収されたケースもあります

実際に日本国内においても、DNA鑑定に関する不正問題が報道されており、鑑定手続きの「緩さ」が問題視されたケースがあります。鑑定の信頼性を担保するためには、科学的な分析精度だけでなく、検体の採取から搬送、保管、分析に至るまでの一連のプロセス(チェーン・オブ・カストディ)を厳格に管理することが不可欠です。(4)(5)

検体のすり替えが行われた場合、分析されるDNA自体は「本物のヒトDNA」であるため、ラボでの分析段階で不正を見抜くことは事実上不可能です。したがって、DNA鑑定における偽造防止の核心は、検体採取の現場における厳格な本人確認と管理体制にあると言えます。

DNA鑑定偽造防止のための弊社の取り組み

DNA鑑定偽造防止のための弊社の取り組み株式会社シードナでは、このような不正行為を防ぐために、多層的な偽造防止対策を実施しています。以下に、弊社が行っている具体的な取り組みをご紹介します。

  1. 法律事務所との提携による第三者立会い:地域の法律事務所との提携により、専門のスタッフが立会人として正しく検体採取が行われたことを立証します。立会人は検体の採取から書類の作成、指紋の押印までを一貫して管理します。
  2. 厳格な本人確認の実施:検体採取時には、写真付き身分証明書による本人確認を徹底し、被検者の顔写真を記録に残します。
  3. チェーン・オブ・カストディの確保:検体は採取直後に封緘(ふうかん)され、開封痕跡が残る特殊な容器に保管されます。搬送から分析までの全工程で、検体の所在と管理者が記録されます。
  4. 否定結果時の再検査:親子関係が否定された場合は、検体の取り間違いなどのヒューマンエラーを防止するため、再度検査を行います。

これらの対策を組み合わせることで、検体のすり替えや取り違えといった不正行為およびヒューマンエラーのリスクを最小限に抑えています。DNA鑑定は科学的な分析精度が注目されがちですが、鑑定結果の信頼性を真に支えるのは、こうした採取・管理プロセスの厳格さです。

DNA鑑定の偽造リスクを理解するためのポイント

DNA鑑定の偽造に関するリスクを正しく理解するために、重要なポイントを以下の表にまとめました。

リスクの種類発生可能性対策
DNA自体の人工合成・改変極めて低いPCR分析で異常検知
検体のすり替え対策なしでは中程度第三者立会い・本人確認
ヒューマンエラー(取り違え)低い再検査・封緘管理

上記のとおり、DNA鑑定における最大のリスクは技術的な偽造ではなく、人為的な検体すり替えです。だからこそ、信頼できる鑑定機関を選ぶことが何よりも重要です。鑑定機関を選ぶ際には、第三者立会いの有無、チェーン・オブ・カストディの管理体制、再検査ポリシーなどを必ず確認するようにしましょう。

株式会社シードナでは、私的鑑定から裁判用の法的鑑定まで、お客様のニーズに応じた信頼性の高いDNA鑑定サービスを提供しております。DNA鑑定に関するご不明点やご不安がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

DNA鑑定の流れについて

よくあるご質問

Q1. DNA鑑定の結果は偽造できますか?

A. DNA自体を人工的に改変して鑑定結果を偽造することは、現在の科学技術では事実上不可能です。人間の体には約37兆個の細胞があり、すべてのDNAを他人のものに入れ替えることはできません。ただし、検体のすり替えという人為的な不正行為が行われるリスクは存在するため、信頼できる鑑定機関を選ぶことが重要です。

Q2. 骨髄移植を受けた場合、DNA鑑定に影響はありますか?

A. 骨髄移植を受けた方は、血液中の白血球DNAがドナーのものに変わる「キメリズム」が起こることがあります。しかし、口腔粘膜や毛根など血液以外の組織からDNAを採取すれば、被検者本人のDNAを正確に分析できます。弊社では申込書にて骨髄移植歴の確認を行い、適切な採取方法を選択しています。

Q3. 検体のすり替えはどのように防止していますか?

A. 株式会社シードナでは、地域の法律事務所と提携し、専門のスタッフが立会人として検体採取に同席します。採取から書類作成、指紋押印まで一貫して管理を行い、チェーン・オブ・カストディ(証拠の連鎖管理)を確保することで、すり替えのリスクを排除しています。

Q4. 裁判用のDNA鑑定と私的鑑定では何が違いますか?

A. 私的鑑定は個人が血縁関係を確認する目的で行うもので、法的効力はありません。一方、裁判用の法的鑑定では、第三者立会いのもとで検体採取を行い、本人確認や証拠管理の厳格な手順を踏むことで、法廷で証拠として採用できる鑑定書が作成されます。

Q5. 親子関係が否定された場合、どのような対応が取られますか?

A. 弊社では、親子関係が否定された場合、検体の取り間違いなどのヒューマンエラーの可能性を排除するため、再度検査を実施します。これにより、鑑定結果の正確性を二重に担保し、お客様に安心してご利用いただける体制を整えています。

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医学博士 富金 起範著者

医学博士 富金 起範

筑波大学大学院 生体統御・分子情報医学 修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発

【参考文献】

(1) National Institute of Justice, 2026年5月
(2) J Biol Chem, 1997年3月
(3) Obesity (Silver Spring), 2010年2月
(4) 朝日新聞, 2025年9月
(5) 日本経済新聞, 2025年10月
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