法的親子DNA鑑定の効果2　―“逃げ男”を捕まえる―

認知について話し合いで解決できない場合や、男性がDNA鑑定を拒否し続ける場合は、裁判所による「強制認知」が可能です。「強制認知」とは、父親が自ら認知届を出してくれない場合に、裁判手続きによって強制的に認知させることをいいます。

強制認知で最も重要なことは、父親と考えられる男性と子どもとの間に「生物学的親子関係」があるのか？になりますが、男性が「法的DNA鑑定」を拒否する場合、裁判所は状況証拠から「生物学的親子関係」があるのかを判断することになります。

その場合、父親と考えられる男性とお付き合いがあったことを裏付けるSNSやメッセージ履歴と、歯ブラシやタバコの吸い殻、髪の毛などで親子関係を鑑定できる「私的親子DNA鑑定」が有力な判断材料となります。

家裁では、子どもの福祉を最優先に判断を行うため、「法的親子DNA鑑定」の結果が無くても、子どもが擬父の子であるという有効な状況証拠でも強制認知を行います。

裁判所によって「強制認知」された場合、父親である男性はその子供に対する法的責任を負うことになるため、子どもに対する養育費の支払いを求めることや、子どもが父親の遺産を相続できるようになります。

万が一、認知されたにもかかわらず養育費を支払わない場合は、給料の差し押さえも可能となるため、一般的なサラリーマンの場合は逃げ道がありません。 遺産相続の場合、仮に都内に住宅などをもっていたとすると、遺産は数千万円に上るケースもあります。

父親が誰なのかをハッキリさせることは、子供の権利を守るためにとても重要なことです。子どものためにも必ず認知をしてもらわなければなりません。 まずは相手の男性と子どもとのDNA鑑定を行い、親子関係をハッキリさせましょう。