完全犯罪は不可能になる?犯人は必ず環境DNAを残す! ~環境DNA技術の発展と応用~

2023.12.20

環境DNA(eDNA)とは

環境DNA(eDNA)とは、生物が生息地に残す遺伝物質のことです。海や川、土壌、大気から抽出され、そこに生息する生物の種類や分布を特定するために利用されています。

環境DNA技術の発展と応用

環境DNAは種の同定、生物多様性のモニタリングなどで幅広く使われており、特に生態学や保全生物学において革新的なツールとして注目されていましたが、最近、川の水や海洋の砂地などから人のDNAを抽出し解析できることが分かりました。

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研究しているひとのイメージ

フロリダ大学の研究チームは、人間のDNAを空気、砂、水から収集できる新たな技術の開発に成功し、フロリダの海洋、河川、砂地からDNAの断片を採取し、その分析を行いました。驚くべきことに、彼らは予想外に豊富な情報を得ることができ、自閉症、糖尿病、眼疾患、心疾患などに関連する突然変異や、特定の遺伝的祖先を特定できるほどの詳細な人のデータを収集しました。
しかし、この急速な技術進歩は、個人のプライバシーや同意に関する倫理的な問題を引き起こしています。特に、少数民族や遺伝的障害を持つ個人を監視するといった潜在的な悪用が懸念されています。某国では既に少数民族に対する遺伝的追跡が行われており、この新技術が遺伝的追跡を進化させることや、個人の同意なしに集団の遺伝情報を収集されてしまうことが心配されています。

検査している人のイメージ

ある国の警察では、犯罪現場で見つかったeDNAを容疑者の予測画像を作成するために使用したことがありますが、eDNAから得られた遺伝的情報(人種や体の特徴)が実際の犯人と異なることが多くありました。eDNAはまだ完全に理解されていないため、犯罪に関連する人物を誤って特定する危険性があります。

このような背景から、科学者や政策立案者は、公共空間でのプライバシーの保護やeDNAに関する政治的な議論を開始しており、新しい技術に対する規制の必要性を強調しています。この技術を活用するには倫理的な使用を確保し、研究を不必要に制限しない微妙なバランスを見つけることが重要です。

野生動物の群れ

今後技術の進歩により eDNA解析技術の精度や効率が向上、改善されると思われますが、法的・倫理的な問題が残っているため、野生生物の監視以外、つまりヒトの解析にeDNA解析技術を使うにはプライバシーや倫理的な問題も考慮する必要があります。 この技術の発展と法的・倫理的な問題の解決によって、より効率的で正確な犯罪捜査や生物種のモニタリングが可能になることを期待します。

フロリダ大学では、eDNAの分析にPCR法や、NGSと呼ばれる次世代シーケンシングを使い、多様な生物種のDNA解析を行っていますが、
弊社でも最新のNGSを用いた出生前DNA鑑定や特殊DNA鑑定を行っており、20年ほど前には不可能とされていた微量DNA解析を使った鑑定を日常的に行っています。

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