染色体異常

染色体異常は、染色体の数や構造に生じる異常を指します。
これは、人間の細胞が持つ46本の染色体(23対)に何らかの変化が起きた状態です。染色体異常は、遺伝的特徴や健康にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
主なタイプには以下のようなものがあります。

数的異常

<トリソミー>
通常2本あるべき染色体が3本存在する状態になる染色体異常

代表的な例:
・ダウン症候群(21トリソミー)
・パトウ症候群(13トリソミー)
・エドワーズ症候群(18トリソミー)

<モノソミー>
染色体が1本しか存在しない状態。

代表的な例:
・ターナー症候群(X染色体のモノソミー)

構造的異常

構造的染色体異常は、染色体の形状や構造に異常がある状態です。これらの異常は染色体の一部が欠けたり、追加されたり、移動したり、逆になったりすることによって生じます。

<欠失(Deletion)>
染色体の一部が失われる状態。これにより、失われた染色体部分に含まれる遺伝情報が体に影響を及ぼす。

<重複(Duplication)>
染色体の一部が余分に存在する状態。この余分な部分により、関連する遺伝子の過剰な表現が起こる可能性がある。

<転座(Translocation)>
染色体の一部が切れて別の染色体に付着する状態。バランスの取れた転座では個人に影響がないこともあるが、不均衡な転座は健康問題を引き起こす可能性がある。

<逆位(Inversion)>
染色体の一部が180度回転して元の位置に戻る状態。この逆位自体が症状を引き起こさないこともあるが、遺伝子の配置の変化により健康問題が生じる場合がある。

これらの構造的異常は、特定の遺伝症候群の原因となることがあります。