18トリソミー(エドワーズ症候群)
18トリソミーは「エドワーズ症候群」ともいわれる、染色体異常の先天性疾患です。
イギリスのジョン・H・エドワーズらにより発見、報告されたため、エドワーズ症候群と名付けられました。
18トリソミー(エドワーズ症候群)の出生率は、1/3,500~1/8,500で、女児に多い(男女比 1:3)染色体異常症です。
\ 胎児のエドワーズ症候群のリスクが分かる /
原因
エドワーズ症候群(18トリソミー)は、18番染色体が通常の2本ではなく3本存在することによって発生します。
この染色体異常は、次のようないくつかの原因で起こります。
<標準型>
親の生殖細胞(卵子または精子)の形成中に染色体が正しく分離されず、余分な18番染色体が子供の細胞に含まれるようになります。
これにより、受精卵に18番染色体が3本含まれることになります。
エドワーズ症候群(18トリソミー)の90%以上が、この染色体非分離が要因と言われています。
<モザイク型>
受精後の初期の細胞分裂の際に染色体の非分離が発生し、結果として体の一部の細胞にのみ余分な18番染色体が存在する状態になります。この場合、症状は一般的なエドワーズ症候群よりも軽度になる可能性があります。
エドワーズ症候群(18トリソミー)の約5%が、このモザイク型と言われています。
<転座型>
18番染色体の一部が別の染色体に転座(移動)することで発生します。
両親のいずれかが転座型の染色体を保有している場合、18トリソミーが遺伝する可能性があります。
エドワーズ症候群(18トリソミー)の約2%が、この転座型と言われています。
エドワーズ症候群の原因は親の生殖細胞が形成される過程で起こる染色体の変化であるため、ほとんどのケースでは予防は難しいとされています。
母親が高齢であった場合、リスクが高まることが知られていますが、若い親からも生まれる子供でも発生する可能性があります。
症状
18トリソミー(エドワーズ症候群)は、発達の遅れや内臓の異常など体にさまざまな症状が現れます。
<身体的特徴>
・低体重、成長の遅れ
・小頭症、異常な頭の形
・眼の障害、斜視など
・小さな下あご
<認知と発達の問題>
・重度の知的障害
・発達の遅れ
<健康上の問題>
・先天性の心疾患
・呼吸器系の疾患
・消化器系の疾患
・聴覚障害
エドワーズ症候群の多くは、生後間もなく重篤な健康問題に直面し、残念ながら生存率が低い染色体異常ですが、疾患の症状によっては、より長期間生存することがあります。
治療法
エドワーズ症候群の根本的な治療法はありませんが、様々な病状に合わせた医療的ケア、療育的支援を行います。
最近では、新生児集中治療、心臓手術などの医療により、生命予後が改善するというケースが増えてきていると言われています。
<新生児集中治療>
新生児の心拍数、呼吸数、血中酸素量、血圧などを24時間体制で監視し、状況に応じて人工呼吸器、内服薬、点滴などの様々な治療を施します。
エドワーズ症候群の子どもに必要な医療的ケアや療育的支援、家族への支援を考えていくことが大切です。