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ストレスへの耐久性

ストレスへの耐久性

社会的な混乱と各種ストレスによって精神的な不安を訴える人が増えています。
日常のストレスを極力減らし、健康な精神状態を保つためには環境の変化や生活習慣の改善などが挙げられますが、人のDNAもある程度影響することが分かっています。
ドイツと中国の研究チームにより、NCANという遺伝子の特定タイプが、人のストレスへの耐久性に大きな影響を与えていることが報告されています。
ご自身の遺伝子タイプを調べることで、遺伝的なストレスへの耐久性の傾向を確認してみませんか?

理論的根拠

ドイツや中国の研究から、NCAN遺伝子の特定タイプによって、ストレスの耐久性に優れて精神的な健康を保ちやすい人や、反対に統合失調症になりやすい人がいることが分かりました。
統合失調症を意味する「schizophrenia」は、ギリシャ語で分裂した心を意味します。 過剰なストレスやトラウマにより、ゆがんだ知覚、異常な情緒や支離滅裂な思考などを表しています。

統合失調症に関わるNCAN遺伝子の特定領域※の名前は「rs1064395」と呼ばれています。
※SNP( Single Nucleotide Polymorphism / スニップ )
個人間における、人の遺伝情報を担うDNAの塩基配列における1塩基の違い

NCAN遺伝子は、ニューロカンというタンパク質を作る遺伝情報を持ちます。
ニューロカンは人の神経系で強く発現し、記憶や学習能力などに様々な機能を担っています。「rs1064395」には、AA、AG、GGと3つの遺伝子型があり、AAとAGタイプの遺伝子型を持つ人はストレスへの耐性が強いと言われます。
日本人の遺伝子タイプは、AAタイプが最も多い77.1%、AGタイプが21.4%、GGタイプが最も少ない1.5%を示します。
AAまたはAGタイプは言語記憶力が高く、過去に学んだことや経験を元に、目標を達成するためにより良いアイデアを生み出せる傾向があると言われます。(参考リンク4)

一方でGG型はストレスに弱いタイプとして悪いイメージを持ってしまいますが、一概にそうとは言えません。GG型は言語性知能や記憶力に優れているという報告もあります。
記憶力の優れる傾向を持つGGタイプの人がストレスに弱い傾向にあることは、全ての特徴にはメリットとデメリットがあるということではないでしょうか。

DNAとの関連メカニズム

dna

ストレスへの耐久性に関わるNCAN遺伝子は、人に共通する24の染色体の内、10番染色体に位置します。細胞外マトリックス糖タンパク質であるニューロカンを内在し、細胞接着と移動に関与すると考えられています。
そしてニューロカンが発現される組織は皮質と海馬の領域に限局します。
ニューロカンを構成するコンドロイチン硫酸プロテオグリカンは、脳の神経細胞を付着させたり、移動させるという、細胞が成熟していく過程において重要な役割を担います。
複数の研究では、NCAN遺伝子と神経認知機能が深く関係することが示唆されています。(参考リンク1、2)
神経認知機能が低下すると、物忘れなどの記憶障害や不安といった心理症状があらわれます。(参考リンク3)

以上のように、「rs1064395」は、言語記憶力といった才能や知性にも関係し、注目されているSNPの一つです。