昨年の11月、中国にて「遺伝子編集された赤ちゃんが誕生した」というニュースが世界中を駆け巡りました。
その後、研究責任者が失踪し、肝心の赤ちゃんの方はでっち上げとも噂されましたが、実際に国の法律で禁止されている生殖を目的とした人の受精卵のDNA編集が行われ、双子の赤ちゃんが誕生していることを調査チームが確認したといいます。
DNA編集に関わる他のニュースとしては、元NASA研究員で物理生物学者のジョサイア・ゼイナー氏が注目を浴びています。ゼイナー氏は自らの遺伝子を自らの手で編集する“バイオハッカー”として知られており、
2017年には編集したDNAを自らの体内に注入する様子を動画で配信し、波紋を広げています。
米放送局によるとゼイナー氏は、DNA編集技術「CRISPR」の民間への普及に力を入れ、2016年には遺伝子編集キットを販売する「The Odin」を創設したといいます。
現在、同社ではカエルの遺伝子を編集するためのCRISPRキットなどを販売していますが、まだ人体に対して直接遺伝子編集するキットは発売されていません。しかしながら、「The Ordin」のHPには“human”という項目もあることから、将来的な人体のDNA編集を暗に示唆している可能性も否定できません。
例で挙げた中国の遺伝子編集ベビーのニュース、市販されている遺伝子編集キットのニュースのどちらも経緯はどうあれ、人体のDNA編集がいよいよ現実のものとなったということを指し示しています。
現在、DNA編集に関しては様々な論争を巻き起こしています。倫理的な面から、今後遺伝子編集技術の利用に関する法整備が進むことが予想されますが、この技術を医療関係や美容関係など様々な用途に生かさない手はありません。
自分のDNAを自分で編集する日々もそう遠くない未来なのかもしれませんね。